外来服薬支援料2の2024年算定要件をわかりやすく解説!

目次

早見表(算定要件・薬歴・算定タイミング・レセプトコメント・旧一包化加算)

外来服薬支援料2

算定要件の概要(2024年度)

算定要件

外来服薬支援料2
 イ 42日分以下の場合 投与日数が7又はその端数を増すごとに34点を加算して得た点数  
 ロ 43日分以上の場合 240点


 外来服薬支援料2については、多種類の薬剤を投与されている患者又は自ら被包を開いて薬剤を服用することが困難な患者に対して、当該薬剤を処方した保険医に当該薬剤の治療上の必要性及び服薬管理に係る支援の必要性の了解を得た上で、2剤以上の内服薬又は1剤で3種類以上の内服薬の服用時点ごとの一包化及び必要な服薬指導を行い、かつ、患者の服薬管理を支援した場合に、当該内服薬の投与日数に応じて算定する。
 ただし、区分番号00に掲げる調剤基本料の注2に規定する別に厚生労働大臣が定める保険薬局においては、算定できない。

つかさ

いわゆる一包化加算と呼ばれていたものですね。
日常的に算定されている調剤報酬ですが、細かいルールが多く、算定ミスが起きやすいものとなっています。
ちなみに特別調剤基本料Bを算定している保険薬局は算定できません。

実施上の留意事項

(1) 外来服薬支援料2は、多種類の薬剤が投与されている患者においてしばしばみられる薬剤の飲み忘れ、飲み誤りを防止すること又は心身の特性により錠剤等を直接の被包から取り出して服用することが困難な患者に配慮することを目的とし、保険薬局の保険薬剤師が治療上の必要性が認められると判断した場合に、医師の了解を得た上で、処方箋受付ごとに、当該保険薬局で一包化及び必要な指導を行い、患者の服薬管理を支援した場合について評価するものである。

つかさ

「飲み忘れ、飲み誤りがあること」または「心身の特性からヒートのままでは服用困難であること」が算定の根拠として必要となります。

(2) 外来服薬支援料2は、処方箋受付1回につき1回算定できるものであり、投与日数が42 日分以下の場合には、一包化を行った投与日数が7又はその端数を増すごとに 34 点を加算した点数を、投与日数が 43 日分以上の場合には、投与日数にかかわらず 240 点を算定する。
 この場合において、外来服薬支援料1は算定できない

つかさ

例えば、
1~7日分処方で34点|8~14日分処方で68点…
36~42日分処方で204点|43日分以上処方で240点
が処方日数に対する実際の点数となります。

(3) 一包化とは、服用時点の異なる2種類以上の内服用固形剤又は1剤であっても3種類以上の内服用固形剤が処方されているとき、その種類にかかわらず服用時点ごとに一包として患者に投与することをいう。
 なお、一包化に当たっては、錠剤等は直接の被包から取り出した後行うものである。

つかさ

服用時点の異なる2種類以上の内服用固形剤の例
A錠 朝夕食後 14日分
B錠 朝食後  14日分
1剤であっても3種類以上の内服用固形剤の例
A錠 B錠 C錠 朝食後 14日分
外来服薬支援料2の算定できる・できないの算定事例に関しては、また別の記事にまとめたいと思います。

(4) 保険薬剤師が一包化の必要を認め医師の了解を得た後に一包化を行った場合は、その旨及び一包化の理由を薬剤服用歴等に記載する。

つかさ

薬歴記載内容は早見表をご確認ください。

(5) 患者の服薬管理を支援するため、一包化した当該保険薬局の保険薬剤師が必要な服薬指導を行った上で、調剤後も患者の服用薬や服薬状況に関する情報等を把握し、必要に応じ処方医に情報提供する。

つかさ

一包化による服薬状況の改善・維持効果を把握して薬歴に記載することは、個別指導でもよく指摘される事項ですね。

(6) 患者の服薬及び服用する薬剤の識別を容易にすること等の観点から、錠剤と散剤を別々に一包化した場合臨時の投薬に係る内服用固形剤とそれ以外の内服用固形剤を別々に一包化した場合等も算定できるが、処方箋受付1回につき1回に限り算定する。

つかさ

例えば定期処方で28日分で一包化の要件を満たしている状態に、それに加えて5日分臨時処方が出たとして別々に一包化をした場合です。
2回分の一包化を1回の処方受付内で行うわけですが、それぞれに外来服薬支援料2の要件を満たしていたとしても、処方箋一回の受付ではあくまで1回しか算定できないということですね。

(7) 同一保険薬局で同一処方箋に係る分割調剤(調剤基本料の「注9」の長期保存の困難性等の理由による分割調剤又は「注 10」の後発医薬品の試用のための分割調剤に限る。)をした上で、2回目以降の調剤について一包化を行った場合は、1回目の調剤から通算した日数に対応する点数から前回までに請求した点数を減じて得た点数を所定点数に加算する。

(8) 外来服薬支援料2を算定した範囲の薬剤については、自家製剤加算及び計量混合調剤加算は算定できない

つかさ

逆に言うと、範囲外であれば自家製剤加算及び計量混合調剤加算を算定可能です。

(9) 外来服薬支援料2を算定する場合は、当該処方箋の調剤に係る調剤技術料を同時に算定できる。

つかさ

調剤技術料とは、主に調剤基本料と薬剤調製料を指します。

(10) 外来服薬支援料2は、特別調剤基本料Bを算定している保険薬局は算定できない。

補足(算定できる、算定できない、計量混合加算、自家製剤加算等)

  • 同一銘柄の同一剤形で規格のみが異なる薬剤が同時に調剤された場合(例えば0.5mg錠と1mg錠)は1種類として取り扱う(A錠0.5mg朝食後とA錠1mg夕食後の場合、A錠朝・夕食後の剤として考える)
  • 単に「管理が面倒である」等の理由で一包化を行っても算定は不可(自費でのサービスは可能だが、価格等の掲示の必要性あり)
  • 自家製剤加算や計量混合調剤加算とは同じ範囲内で併算定不可だが、どちらを優先的に算定するかは自由
  • 処方日数に差があるものをすべて一包化した場合、要件を満たす範囲における最も長い日数で算定可
  • 自家製剤加算や計量混合調剤加算を満たすものと外来服薬支援料2を満たすものが、2つ以上の範囲でそれぞれ満たす場合、外来服薬支援料2は一回しか算定できないことを前提に被らない範囲で自由に算定可能
  • 内服用固形剤には散剤も含まれるが、散剤のみで計量混合調剤加算と外来服薬支援料2の要件をどちらも満たす場合に、どちらを選んでも差し支えない
  • 一包化の際に、以下の場合等、患者の服用状況を確認の上ヒートのまま渡すことも問題ない(一包化部分のみで算定要件を満たす必要がある)
    ✓用法時点によって例えば寝る前のみ1種類のみとなる場合
    ✓便秘薬等、調整を行うことが医師より認められている場合
    ✓吸湿性等により一包化に向かない場合
  • 同じ病院の別の診療科を同時受付した際、合算することで要件を満たす場合はそれぞれの処方医の了解を得ることで一包化して算定可能(別の保険医療機関を同時受付の場合は算定不可)
  • 錠剤と散剤併せて要件を満たす場合でも、一包化加算の目的を満たすようテープ等でまとめれば、錠剤と散剤は別に分包しても算定可
  • 持参薬もある場合等に、外来服薬支援料1と2の要件をどちらも満たす場合はどちらを選択しても差し支えない

同時算定(併算定)、算定回数(算定タイミング)について

他調剤報酬との併算定の可否は以下の通りです。

併算定-1
併算定-2
併算定-3

参照:診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について 保医発0305第4号 別添3 調剤報酬点数表に関する事項 厚生労働省 令和6年3月5日

疑義解釈(旧一包化加算の頃も含む)

疑義解釈(令和4年3月31日)

問 35 処方医からの一包化薬の指示がある処方箋と共に、他の薬局で調剤された薬剤や保険医療機関で院内投薬された薬剤を併せて薬局に持参した場合であって、処方箋に基づく調剤を行う際に全ての薬剤の一包化を行い、服薬支援を行った場合には、外来服薬支援料2は算定可能か。

(答)他の薬局で調剤された薬剤や保険医療機関で院内投薬された薬剤を一包化したことに対しては外来服薬支援料1、一包化薬の指示がある処方箋を一包化したことに対しては外来服薬支援料2を算定できるが、併算定不可。

出典:疑義解釈資料の送付について(その1)厚生労働省 令和4年3月31日

疑義解釈(平成27年2月3日)

(問1)処方された薬剤を一包化する際に、吸湿性が強い等の理由で直接の被包(PTPシート)から取り出すことができない薬剤をPTPシートで交付するなど一包化とは別にした場合であっても、その薬剤を除いて一包化した部分が算定要件を満たしていれば一包化加算を算定できるか。

(答)算定して差し支えない。
この場合、一包化をしなかった薬剤及びその理由を調剤録等に記録しておくことが望ましい。

(問2)一包化加算の算定に当たっては、同一銘柄の同一剤形で規格のみが異なる薬剤が同時に調剤された場合(例えば0.5mg錠と1mg錠)は1種類として取り扱うことでよいか。

(答)貴見のとおり。

出典:疑義解釈資料の送付について(その1)厚生労働省 平成27年2月3日

疑義解釈(平成22年4月30日)

(問2) 一包化加算を算定した場合においては、自家製剤加算及び計量混合調剤加算は算定できないとされているが、一包化加算の算定と無関係の剤について自家製剤加算又は計量混合調剤加算を算定すること(例えば、以下の処方において、処方1又は処方2で一包化加算、処方3で計量混合調剤加算を算定すること)は可能か。
処方1 A錠、B錠 1日3回毎食後 × 14日分
処方2 C錠、D錠 1日2回朝夕食後 × 14日分
処方3 E散、F散 1日1回就寝前 × 14日分

(答) 算定可能。
自家製剤加算及び計量混合調剤加算は、原則として1調剤行為に対して算定することとしている。質問の例においては、処方1と処方2で一包化加算の算定要件を満たしており、処方1又は処方2のいずれかで一包化加算を算定する
ことになるが、処方3は、一包化加算の算定対象となる処方1及び処方2のいずれとも服用時点の重複がなく、一包化加算の算定対象とならないことから、処方3について計量混合調剤加算の算定が可能である。

出典:疑義解釈資料の送付について(その3)厚生労働省 平成22年4月30日

疑義解釈(平成22年)

(問)一包化加算を算定した場合、自家製剤加算及び計量混合加算は「算定できない」とされているが、この要件は内服用固形剤のみ(一包化加算の算定対象とならない部分を除く)に適用されるものと理解してよいか。

(答) その通り。

(問)一包化加算を算定した場合、自家製剤加算及び計量混合加算は算定できないとされているが、①服用時点の異なる②種類以上の内服用固形剤、または、②1剤であっても③種類以上の内服用固形剤のいずれにも該当しない部分(剤)については、適用されないものと解釈してよいか。
 処方1 1日3回毎食後×14日分
 処方2 1日1回朝食後×14日分
 処方3 1日1回就寝前×14日分(薬剤は2種類以下)
→いずれも内服用固形剤が処方されているものと仮定。
処方1と処方2を一包化。処方3は、処方1・処方2のいずれにも重複する服用時点はないが、自家製剤または計量混合に該当する行為有り。

(答)上記例の場合、一包化加算の算定対象となるのは処方1と処方2のみであり、処方3は一包化加算の対象とならない。したがって、処方3において自家製剤加算または計量混合加算を算定しても差し支えない。

疑義解釈(平成20年)

(問)処方箋の指示により、1剤で3種類の散剤を計量し、かつ、混合して、服用時点ごとに一包化した場合には、計量混合調剤加算を算定するのか、それとも、一包化加算を算定することになるのか。

(答)処方箋の指示の具体的内容及び患者の状態(治療上、一包化が必要か否か)にもよるが、基本的には、1剤で3種類の散剤を計量し、かつ、混合して、服用時点ごとに一包化した場合には、計量混合加算を算定する。ただし、患者の状態が一包化加算の算定要件を満たしており、かつ、処方箋における一包化の指示が当該患者の状態を踏まえたものであることが明確である場合には、一包化加算を算定することができる。

(問)同一保険医療機関の異なる診療科から交付された2枚の処方箋を同時に受け付けたケースにおいて、1枚の処方箋だけでは一包化加算の要件を満たさないが、2枚の処方箋を合わせれば要件を満たすような場合には、一包化加算を算定しても差し支えないか。なお、いずれの処方箋についても、処方医による一包化の指示があるものと仮定して考える。

(答)差し支えない。なお、異なる医療機関から交付された2枚の処方箋の場合は、一包化加算を算定できない。

(問)1剤で3種類の内服用固形剤を一包化するよう指示された処方箋において、患者の服薬及び服用する薬剤の識別を容易にすること等の観点から、錠剤と散剤を別々に一包化した場合等であっても、一包化加算を算定しても差し支えないか。

(答)別々にしたもの同士をテープや輪ゴムでまとめるなど、一包化加算の目的(薬剤の飲み忘れや飲み誤りの防止、または、薬剤を直接の被包から取り出すことが困難な患者への配慮)を十分踏まえた調剤が行われていれば、算定しても差し支えない。

疑義解釈(平成16年)

(問)一包化加算の算定要件における「投与日数が7」とは、服用時点に関係なく、実際に調剤された日数と解釈してよいか。

(答)その通り。隔日投与の場合であっても実際に一包化した調剤日数分となる。

(問)患者の服薬及び服用する薬剤の識別を容易にすること等の観点から、散剤と錠剤を別々に一包化した場合等でも算定できるとあるが、具体的にどのような場合か。別に一包化した場合の理由として「服用しづらいから」でも良いか。

(答)一包化の目的を考えた場合、別々にして患者に交付することは好ましいことではないが、数種類の錠剤と1回数gの散剤を一包化することによって、患者の服薬及び服用する薬剤の識別が今なんな場合などは、別々に一包化することが可能である。その際は、別に一包化した理由を調剤録等に記載すること。
 また一包化が医師の指示によるものであった場合には、別々に一包化する理由を処方医に伝えて了解を得た上で、その旨も合わせて調剤録に記載すること。

保険調剤Q&A(令和6年度版より一部抜粋)

Q147

Q:以下の処方にて、センノサイド錠は、患者の体調次第で調節できるようヒートシールのまま投薬する旨の医師の指示があり、処方1~3を一包化して処方4はヒートシールのまま投与した場合、外来服薬支援料2は算定できますか。

処方1 オイグルコン錠2.5mg 1錠
     1日1回 朝食後     7日分
処方2 アダラートL錠10mg  2錠
    フェロミア錠50mg  2錠
     1日2回 朝夕食後    7日分
処方3 パナルジン錠100mg   3錠
    カルナクリン錠50   3錠
     1日3回 毎食後     7日分
処方4 センノサイド錠12mg  2錠
     1日1回 就寝前     7日分

A:算定できます。
 外来服薬支換料2は、用法の異なる2割以上(または、1前で3種類以上)を、服用時点ごとに一包として息者へ投与した場合に算定します。このケースでは、処方4は処方1~3までの服用時点と重複する部分がありませんので、外来服薬支援料2の要件には該当しませんが、処方1~3を一包化していれば、外来服薬支援料2の要件を満たしていることになります。
 ただし、ヒートシールのまま投与しても服用に差し支えないことなどを患者に確認のうえで投与することが必要です。

Q148

Q:次の処方の場合、寝る前に服用するものは処方4のみなので、寝る前の分のみヒートシールのまま投与し、それ以外は朝・昼・晩ですべて一包化した場合は、外来服薬支援料2は算定できますか。

処方1 1日3回 毎食後
処方2 1日1回 朝食後
処方3 1日2回 朝夕食後
処方4 1日2回 朝食後、寝る前

A:算定できます。
 本例の場合。服用時点を表示すると下のようになりますが、処方4の扱る前と処方1の昼食後に服用する楽剤は、ほかに一緒に服用する薬剤がありません。したがって、ご質問のようにヒートシールのまま投与しても、服用時点が重なる朝食後および夕食後についてはそれぞれ一包化していますので、外来服薬支援料2の算定は認められます。

朝食後昼食後夕食後寝る前
処方1
処方2
処方3
処方4

〇は服用時点

Q149

Q:同じ病院の2つの診療科(内科と脳外科)から発行された2枚の処方箋を持って患者が来局しました。この患者は、両方の診療科の薬をまとめて一包化してほしいと希望しましたが、外来服薬支援料2は算定できるのでしょうか。

内科T医師    ロンゲス錠5mg    1錠
            1日1回 朝食後   28日分
脳外科M医師   パナルジン錠100mg   2錠
        セロクラール錠10mg   2錠
            1日2回 朝夕食後  28日分

А:異なる医師、異なる診療科からの処方箋を同時に受け付けた場合、処方箋ごと別々に調剤するのが一般的です。
 ただし、処方箋受け付けが1回となる場合であって、かつ,それぞれの処方医の了解が得られているのであれば、外来服薬支援料2を算定することは可能です。

Q150

Q:次のような処方の場合、外来服薬支援料2は何点として算定すべきでしょうか。臨時処方(処方3)との重複がない8日目以降の部分について、どのように考えればよいのかわかりません。

処方1 A錠     1錠
    Bカプセル  1カプセル
      1日1回 朝食後 28日分
処方2 C錠 2錠
    D散 1 g
      1日2回 朝夕食後 28日分
処方3 E錠 3錠
    F散 3 g
      1日3回 毎食後   7日分
※上記をすべて一包化との指示あり

A:28日分の外来服薬支援料2として136点を算定します。
 ご質問の処方例では、服用初日から7日日までは、処方1から処方3の3剤を一包化、8日日以降から28日日までは、処方1と処方2を一包化することになります。8日日以降は、処方1と処方2のみですが、服用時点の異なる2剤であり、外来服薬支援料2の算定要件を満たしています。
 したがって、外来服薬支援料2として136点となります。

Q151

Q:同一用法で3種類以上の散剤が処方されており、かつ一包化するよう指示があった場合、調剤内容としては計量・混合という行為になりますが、計量混合調剤加算を算定すべきなのでしょうか。それとも、外来服薬支援料2を算定しても構わないのでしょうか。

A:外来服薬支援料2の算定要件を満たしているのであれば、外来服薬支援料2を算定して差し支えありません。
 外来服薬支援料2は、処方薬の飲み忘れや飲み誤りのほか、直接の被包から取り出して服用することが困難な患者への配慮を目的とした調剤技術を評価したものですが、散剤もしくは顆粒剤のみが処方され、同一用法(1剤)として3種類以上の医薬品を調剤した場合には、調製行為だけを見れば計量混合調剤加算を算定すると考えるのが妥当かもしれません。
 ただし、外来服薬支援料2の目的を考えると、計量・混合の調製行為だけでなく、患者の服薬や服用薬剤の識別を容易にするための工夫のほか、服薬カレンダーなどを活用した支援が必要となるケースもあることから、外来服薬支援料2の算定要件を満たしているとともに、患者の状態を踏まえた行為である場合には、外来服薬支援料2を算定することが可能です。

Q152

Q:外来服薬支援料2の算定は、処方箋受付1回につき1回しか認められませんが、例えば次のように、同じ処方箋の中に外来服薬支援料2の要件を満たす部分が複数あるような場合は、どのように算定するのでしょうか。

処方1 1日3回 毎食後 14日分
処方2 1日1回 朝食後 14日分
処方3 1日3回 毎食前 14日分
処方4 1日1回 朝食前 14日分
→いずれも内服用固形剤が処方されているものと仮定。処方1と処方2、処方3と処方4で、それぞれ外来服薬支援料2の要件を満たしている。また、処方2と処方4には自家製剤または計量混合に該当する行為あり

A:考えられる算定ケースとしては、①処方1と処方2の部分で外来服薬支援料2を算定し、処方4の部分で自家製剤加算または計量合調剤加算を算定するか、もしくは、②処方3と処方4の部分で外来服薬支援料2を算定し、処方2の部分で自家製剤加算または計量混合調剤加算を算定します。特に優先順位は規定されていません。
 ただし、薬剤調製料・調剤管理料は3剤分しか算定できません。

Q153

次のような処方内容の場合、外来服薬支援料2はどのように算定すべきでしょうか。処方1で14日分として計算しても構わないのでしょうか。それとも処方1~3で7日分として計算しなければならないのでしょうか。

処方1 A薬,B薬、C薬、D薬,E薬
      1日1回 朝食後 14日分
処方2 F薬
      1日1回 夕食後 14日分
処方3 G薬
      1日3回 毎食後 7日分
※上記を一包化せよとの指示あり

A:14日分の外来服薬支援料2を算定して差し支えありません。
 外来服薬支援料2は、①服用時点の異なる2種類以上の内服用形剤、または、②21であっても3種類以上の内服用固形を、その種類にかかわらず、服用時点ごとに一包化して患者に投与した場合に算定するものです。
 ご質問の処方例の場合。①の算定要件に該当するのは処方1~3の共通部分である7日分となりますが、処方1を見ると、②の算定要件にも該当していることがわかります。したがって、処方1の部分において14日分の一包化加算(すなわち、31点✕2=68点)を算定できると考えます。

Q154

Q:外来服薬支援料2を算定した場合は、自家製剤加算や計量混合調剤加算などを同時に算定することはできませんが、算定の優先順位のようなものはあるのでしょうか。
 それとも、例えば下のような処方箋の場合には、算定要件を満たしていればどの加算を算定しても構わないのでしょうか。

処方1 1日3回 毎食後 14日分
処方2 1日2回 朝夕食後 14日分
処方3 1日1回 朝食後 14日分
→すべて内服用固形剤。処方医の指示に基づき一包化を行ったが、いずれの処方にも自家製剤加算または計量混合調剤加算に該当する行為あり

A:複数の加算の算定については、同時算定の可否が規定されているのであって、優先順位のようなものは一切ありません。上のような場合には、①外来服薬支援料2のみを14日分算定するか、それとも、②外来服薬支援料2は算定せず、剤ごとに自家製剤加算または計量混合調剤加算を算定することになります。

Q155

Q:先日、ガスターD錠(口腔内崩壊錠)とほかの内服薬を一包化したところ、知り合いの薬剤師から「別包にしないと、保険請求上、不適切なケースとして指摘されるのではないか」と言われました。
 処方内容の一部に口腔内崩壊錠が含まれている処方箋を一包化する場合、通常の内服薬と口腔内崩壊錠は別包にしなければならないのでしょうか。

А:口腔内崩壊錠を含む内服薬を一包化する場合、必ずしも通常の内服薬と口腔内崩壊錠を別包にしなければならないというわけではありません。口腔内崩壊錠によっては一包化が可能なものもありますので、その錠剤の製剤特性をきちんと見極めたうえで、ケースに応じて適切に判断することが求められます
 一般的に口腔内崩壊錠は、その製剤の特性上、通常の錠剤に比べて吸湿性が高く、軟らかいことから、通常の内服薬と一緒に一包化して調剤するには適さないことが多いようです。また、あくまでも目安の1つですが、そのような口腔内前錠の場合は添付文書中の注意事項として、自動分包機の使用は適さないことが明記されていることも多いようです。
 しかしながら、すべての口腔内崩壊錠が一包化に適さないというわけではありません。調剤日数や患者の薬剤の保管状態によって異なるかもしれませんが、口腔内錠の種類によっては、通常の内服薬との一包化は可能なケースがあるものと考えられます。例えば、ガスターD錠やハルナールD錠などの場合には、当該製染企業に確認したところ、一包化については特に問題ないものと解釈しているようです。
 したがって、通常の内服薬と口腔内崩壊錠が同時に処方されている処方箋を一包化する場合には、個々の錠剤の製剤特性を確認したうえで、ケースに応じて適切に判断することが必要です。製剤特性が不明な場合には、製薬企業などに問い合わせて確認することも必要でしょう。
 通常の内服薬との一包化が可能であるものを別包とすることで、逆に不適切なケースとして判断されないよう十分注意してください。

Q156

Q:処方箋受付の際に、数種類の内服薬が処方されている患者から、「飲む時に面倒なので一包化してほしい」との依頼がありました。処方箋には一包化の指示はありません。
 患者から話を聞いたところ、飲み忘れや飲み誤りの心配も特にないようですし、薬剤の取り出しで困っているということでもないようです。このような場合,処方医の確認が得られれば、外来服薬支援料2は算定できるのでしょうか。

A:算定できません。ご質問のケースでは、処方箋に一包化の指示はありません。また、患者との会話のやり取りから、多種類の薬剤が投与されている場合にしばしば見られる薬剤の飲み忘れ・飲み誤りの恐れが認められる患者ではなく、心身の特性により薬剤を直接の被包から取り出すことが困難な患者でもないことは明らかです。
 したがって、仮に処方医の確認が得られたとしても、それは結果的に患者側の「服用する際に面倒だから」という理由に基づく一包化となり、医療上の必要性が認められるものではありません。このような場合は、外来服薬支援料2を算定することはできません(表)。
 ただし、保険点数としての外来服薬支援料2ではありませんが、治療上の必要性がなく、患者の希望により一包化を行った場合には、そのサービスに係る実費を徴収することができます。その際には、患者へ提供するサービスの内容・料金などについての掲示や説明、内容のわかる領収証の発行などが必要です。また、サービス料金については保険薬局ごとに自由に設定できます。

表:外来服薬支援料2の算定対象となる患者

1.多種類の薬剤が投与されており、薬剤の飲み忘れや飲み誤りの恐れがある患者 
例:認知症など
2.心身の特性により、錠剤などを直接の被包から取り出して服用することが困難な患者
例:関節リウマチなど

原文

区分14の2 外来服薬支援料

1 外来服薬支援料1 185点

2 外来服薬支援料2  

 イ 42日分以下の場合 投与日数が7又はその端数を増すごとに34点を加算して得た点数  

 ロ 43日分以上の場合 240点

3 2については、多種類の薬剤を投与されている患者又は自ら被包を開いて薬剤を服用することが困難な患者に対して、当該薬剤を処方した保険医に当該薬剤の治療上の必要性及び服薬管理に係る支援の必要性の了解を得た上で、2剤以上の内服薬又は1剤で3種類以上の内服薬の服用時点ごとの一包化及び必要な服薬指
導を行い、かつ、患者の服薬管理を支援した場合に、当該内服薬の投与日数に応じて算定する。ただし、区分番号00に掲げる調剤基本料の注2に規定する別に厚生労働大臣が定める保険薬局においては、算定できない。

出典:診療報酬の算定方法の一部を改正する告示 厚生労働省告示第57号 別表第三調剤報酬点数表 厚生労働省 令和6年3月5日

2 外来服薬支援料2
(1) 外来服薬支援料2は、多種類の薬剤が投与されている患者においてしばしばみられる薬剤の飲み忘れ、飲み誤りを防止すること又は心身の特性により錠剤等を直接の被包から取り出して服用することが困難な患者に配慮することを目的とし、保険薬局の保険薬剤師が治療上の必要性が認められると判断した場合に、医師の了解を得た上で、処方箋受付ごとに、当該保険薬局で一包化及び必要な指導を行い、患者の服薬管理を支援した場合について評価するものである。
(2) 外来服薬支援料2は、処方箋受付1回につき1回算定できるものであり、投与日数が42 日分以下の場合には、一包化を行った投与日数が7又はその端数を増すごとに 34 点を加算した点数を、投与日数が 43 日分以上の場合には、投与日数にかかわらず 240 点を算定する。この場合において、外来服薬支援料1は算定できない。
(3) 一包化とは、服用時点の異なる2種類以上の内服用固形剤又は1剤であっても3種類以上の内服用固形剤が処方されているとき、その種類にかかわらず服用時点ごとに一包として患者に投与することをいう。なお、一包化に当たっては、錠剤等は直接の被包から取り出した後行うものである。
(4) 保険薬剤師が一包化の必要を認め、医師の了解を得た後に一包化を行った場合は、その旨及び一包化の理由を薬剤服用歴等に記載する。
(5) 患者の服薬管理を支援するため、一包化した当該保険薬局の保険薬剤師が必要な服薬指導を行った上で、調剤後も患者の服用薬や服薬状況に関する情報等を把握し、必要に応じ処方医に情報提供する。
(6) 患者の服薬及び服用する薬剤の識別を容易にすること等の観点から、錠剤と散剤を別々に一包化した場合、臨時の投薬に係る内服用固形剤とそれ以外の内服用固形剤を別々に一包化した場合等も算定できるが、処方箋受付1回につき1回に限り算定する。
(7) 同一保険薬局で同一処方箋に係る分割調剤(調剤基本料の「注9」の長期保存の困難性等の理由による分割調剤又は「注 10」の後発医薬品の試用のための分割調剤に限る。)をした上で、2回目以降の調剤について一包化を行った場合は、1回目の調剤から通算した日数に対応する点数から前回までに請求した点数を減じて得た点数を所定点数に加算する。
(8) 外来服薬支援料2を算定した範囲の薬剤については、自家製剤加算及び計量混合調剤加算は算定できない。
(9) 外来服薬支援料2を算定する場合は、当該処方箋の調剤に係る調剤技術料を同時に算定できる。
(10) 外来服薬支援料2は、特別調剤基本料Bを算定している保険薬局は算定できない。

出典:診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について 保医発0305第4号 別添3 調剤報酬点数表に関する事項 厚生労働省 令和6年3月5日

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