こんにちは!つかさです。
今回はNISAを始めようと思っている、もしくは始めて間もない方に是非読んでほしい記事となっております。
以前の記事では、NISAのたくさんのメリットやシミュレーション結果をお伝えしました。
過去をなぞったシミュレーションにおけるリターンの大きさに、驚いた方も多いのではないでしょうか。
そんなNISAですが、投資である限りリスクが存在します。
そして、数十年という長い期間この投資と付き合い続けることが前提となっています。
特に今まで株式投資を一度も行ってこなかった方々からすると、
- これだけはやってはいけない、NG行動を教えてほしい
と思っている方も多いと思います。
何しろ長い投資期間で、今までで体験したことのない不安や恐怖が訪れることは必至と言えるでしょう。
本記事を読むことで、
- NISAにおいて避けるべき行動、つまりNG行動
がわかります。
NG行動さえわかれば、「大きな失敗」はしなくなります!
NISAは基本さえ押さえておけば、あとは「大きな失敗」さえしなければ高確率でお金を増やすことが可能な素晴らしい制度です。
是非学んだうえで活用していきましょう!
この記事を書いている私は、薬剤師歴18年、投資歴6年、ファイナンシャルプランナー。積み立てNISAについては制度開始初期から利用し、現在まででNISAの範囲内のみで約200万円(6年間で約2倍)の利益を出せています。
また、特定口座ではそれ以上の成果が出ています。
まだまだ勉強中の身ではありますが、ここまでで得た知見を皆さんと共有させていただければと思います。
NISA制度を最大限利用するための王道戦略
まずはおさらいです。
制度の概要についてはこちらをご確認ください。
上記の記事内でも記載しましたが、NISA制度を最大限に利用する方法は、すでにこれまでの長い投資の歴史を踏まえた上で確立されております。
それは以下の通り。
長期的に成長し続ける銘柄を、途中で売却することなく、1800万円まで積み上げて、放置をする。
というものです。
もっと具体的に示すならば、
eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)かeMAXIS Slim全米株式(S&P500)を、生活に無理のない範囲で1800万円に向けて積み立て投資設定を行い、あとはただ放置をすること。
です。
長期インデックス投資と積み立て投資を組み合わせたもので、低コストかつローリスクを実現した手法と言えるでしょう。
初心者には再現性の高いこの手法が一番おススメです。
そして、プロの投資家ですらこの手法に敵わないことが多いのです。
NISAに関するNG行動 5選
それではここから、実際にどういったことをしてはいけないのかをお伝えしていきたいと思います。
でもさっき「放置をする」だけって話でしたよね?
それなら特に気を付けることも無いんじゃないですか?
実は、その「放置をする」だけというのが本当に難しいんですよ。
では、具体的に見ていきしょう!
①短期的視点で行動をする
長期インデックス積立投資と短期的な個別株の売買では運用方法が大きく異なります。
皆さんの中にも、「損切り」や「利確」という言葉を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
これらは投資用語で、内容は以下の通りです。
損切り:投資で保有している株や投資信託などが値下がりし、損失が出たときに、その資産を売却して損失を確定させることを指します。損失をあえて確定させることで、さらなる下落による損失拡大を防ぐ目的があります。
利確:「利益確定」の略で、投資で利益が出ている状態の資産(株や投資信託など)を売却して、利益を確定させることを指します。価格が上昇して含み益(評価上の利益)が出ているときに、あえて売却し、実際にその利益を手にする目的で行います。
これらは短期的な個別株の売買で好んで使われる手法で、値動きが激しいからこそ大きなリターンを狙って細かく売買を繰り返します。
広く分散され、リスクが低いと言われるS&P500指数でも、例えばリーマン・ショックでは約50%の株価の減少がありました。
1000万円の資産が500万円となるのです。
しかもそれが1年以上かけて減少をし、元に戻るまで5年かかっています。
今ある貯金が半分になるまでじわじわ減っていったと考えてみると良いでしょう。
規模は問わず暴落は何度も起きていますが、実際は毎回元の値に戻し、更に現在も成長を続けています。
長期投資においては、暴落が起きようとも気にせず長期的目線で積み立てをし続けることこそが大原則であり、それが成功のカギとなります。
しかし、実際に↑のようなチャートとなったときに、価値が下がり続けるものを損切りせずに買い続け、元の金額に戻せたときに利確をせずに投資を続けられるでしょうか……?
今でこそ株価が戻った状態を知っていますが、当時は落ちた後にまた上がってくれる保証はなく、上がったとしてもまた落ちない保証もないのです。
長期的目線で投資を行うというのは、「言うは易し、行うは難し」という言葉がぴったり当てはまりますね。
実際この時期には多くの人が破産に追い込まれ、株の時代は終わったと手を引いた投資家もたくさん出たようです。
②あまり考えずに適当な銘柄に、適当に決めた証券口座で投資する
これから数十年保持をし続ける銘柄となります。
そして、価格としても非常に高い買い物になります。
できるだけランニングコストを押さえたうえで、長期的な成長が期待できる銘柄に投資をする必要があります。
結論としてはSBI証券や楽天証券のようなネット証券口座で、eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)かeMAXIS Slim全米株式(S&P500)に積立投資を行えばよいのですが、そう上手くいかないことも多いのです。
銀行や郵便局、証券窓口からはあの手この手で「私のところでNISAを始めましょう!」と勧誘をしてきます。
すべてではありませんが、一般的にネット証券と比べて手数料が高く、選べる銘柄も限定的であることが多いです。
また、全世界株やS&P500の指数に連動した投資信託はsMAXIS Slimシリーズ以外にも多数存在し、その中には信託報酬(運用手数料のようなもの)が非常に高いものもあります。
さらに、これらよりも短~中期間においてはリターンがもっと大きい銘柄はたくさんあり、それらに魅力を感じてしまうこともあるでしょう。
もちろんこれらがすべて悪いというわけではありませんが、その意味をしっかり把握した上で投資をしなければ、将来後悔する可能性も大いにあり得ることは覚えておきましょう。
③生活防衛資金を考えずに投資する
生活防衛資金とは、予期しない緊急事態や収入の減少に備えて、日常生活を維持するための資金(貯金等)のことを言います。
こちらを用意せずに投資にばかり資産を投入していると、いざというときに生活がままならなくなる可能性があります。
例えば、病気や怪我、事故等による他人への賠償、結婚式や一軒家購入などのライフイベント、リストラ、肉親の介護、子供の留学などなど、急にまとまったお金が必要となることは多々あります。
そういったときに、NISAならば途中で売却も可能ですが、一番売りたくない大きく値下がりした時に売らざるを得なくなってしまうかもしれません。
とはいえ、iDeCoと違って売却できる分まだ融通が利くとの考え方もありますけどね。
ちなみに生活防衛資金の算出方法については、こちらの記事をご参照ください。
④リスクの高い銘柄を購入する
成長投資枠ではある程度リスクの高い個別株や、構成銘柄数が極小の投資信託も購入することができます。
しかし、買ったり売ったりを繰り返す可能性の高い個別株は、そもそもNISA制度内で行うのに向いていません。折角恒久化された非課税制度をあまりうまく活かせなくなってしまいます。
「オルカンかSP500に決めてるから大丈夫だよ!」
って人もいるかと思いますが、意外とそれを貫くことも難しいのです。
例えば「S&P500」連動銘柄の成績が順調な時、それをもっとぎゅっと凝縮したような「FANG+」に連動した銘柄は、その3倍のリターンを出しているとの情報を得たとします。そうすると、
「自分の銘柄は400万円の利益を出したけど、あっちを買っていれば1200万円になっていたんだよな……。」
とついつい考えてしまいます。
そこで「FANG+」連動銘柄を400万円分買ったら、上りに上がった株価が暴落して、一気に100万円まで価値が落ちる。そしてそれ以上落ちるのが怖くて結局100万円で売却してしまう。
こういったことは、実際に投資家たちの間でざらに起きていることなのです。
特に慣れない間は株価の大きな変動に冷静な判断ができず、わざわざ高いところで購入して、低いところで売却を繰り返すということを無意識的にしてしまうことが多々あります。
少額に留めましたが、実は私も何度か誘惑に負けて購入してしまったことはあります。(笑)
初心者のうちは、株価の変動が大きい個別株や、構成銘柄数が極小の投資信託に下手に手を出さない方が賢明でしょう。
⑤何も考えず、有識者の言われるがままに投資する
正解のようで、これもNGです。
正解を引き当てればその後もずっと安泰かというとそうでもありません。
平均年利〇%とはいいますが、毎年安定して伸びていくわけではありません。
想定の倍以上増える年もあれば、年間を通してマイナスで終わる年もあります。
また、オルカンやSP500はドル建て(米ドルに換金して投資している)なので、株価の上下だけでなく、為替レートの影響も受けます。
大局的に見れば増えていっていても、大きな暴落は必ず何度か経験することになるでしょう。
そんな時もなにもしなれければいいのですが、何もしないでいられないのが人間の心情というものです。
実際私もコロナショックの時は何度も売ってしまおうかと悩みました。
①~④のすべてに通じることですが、背景に確かな知識を身に着けた上で、それを自分の考えやライフスタイルに当てはめた上での決断があってこそ、長期の投資が成り立つのです。
人に決めてもらっただけの投資方法では、イレギュラーが起きた時にあっという間に瓦解するでしょう。
積立投資は少額からなので、スタートはフットワークを軽く始めてもいいと思います。
特にNISAは損をする可能性は非常に低くできていますので、やったもの勝ちなところはあります。
しかし、その後もしっかり勉強をしながら、自分による、自分のための、自分に合った投資方法を模索し続けていただくことが、長く安定して投資をし続けるための秘訣であると考えます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
NISAは国が認めた銘柄のみで構成され、比較的安全性高く投資を行える制度となっています。
しかし、それでも自身の行動次第では思ったより増やすことができなかったり、元本を割ってしまうこともあり得るのです。
私も何度も魔が差しそうになりました。
逆にそのNG行動さえ押さえておけば、過去の歴史を見るに大きく失敗することは避けられると言えるでしょう。
聞いているだけではなかなか実感は湧かないかと思います。
しかし、実際に投資を始めていろいろ経験をすると、「ただ放置するだけ」の難しさを本当の意味で理解できるかと思います。
そういったときに、本記事のNG行動を是非読み返していただいて、
「あぁ、これのことだな。自分はこれだけはしないように気を付けよう」
と思っていただければ幸いです。
また、ここまで説明をしてひっくり返すようで申し訳ないですが、未来に絶対はありません。
今回お伝えしたNG行動も、結果的にそちらが正解だったとなるということもあり得るでしょう。
今回の解説は、「これまでの投資の長い歴史から、よりよい結果を生む可能性が高い」だけのものではあります。
しかし、その長い歴史から学び、より良い結果をつかみ取ろうとするその行動に大きな価値があると私は考えます。
一緒により良い未来のために学んでいきましょう!
以上、何か疑問点等あればお気軽に質問ください。
皆様の投資家ライフのお役に立てればうれしいです。
それではまた次の記事でお会いしましょう!
執筆者:つかさ
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