こんにちは!
つかさです。
以前の記事で投資を始めることをお勧めしましたが、その前段階として必要な「生活防衛資金」についての解説をしていきたいと思います。
「よく投資を始めるにあたって、生活防衛資金を確保しましょう!」とアドバイスされることが多いかと思います。
しかしそのように言われても、
- 生活防衛資金とはどういうもの?
- 生活防衛資金がないとどう困るの?あるとどう良いの?
- 生活防衛資金の目安の金額はいくら?
- 生活防衛資金がないと投資は始められないの?
と思ったりはしなかったでしょうか?
せっかく投資を始めようと踏み出したのに、いろいろと面倒だなと感じた方もいるかと思います。
しかし、安心してください。
この記事を読むことで、
- 生活防衛資金はどういったもので、何のために用意をするのか
- あなた自身が用意すべき生活防衛資金の金額の目安
- 生活防衛資金がない場合に投資を始めて良いのか
が簡単にわかります。
早速見ていきましょう!
この記事を書いている私は、薬剤師歴18年、投資歴6年、ファイナンシャルプランナー。積み立てNISAについては制度開始初期から利用し、現在まででNISAの範囲内のみで約200万円(6年間で約2倍)の利益を出せています。
また、特定口座ではそれ以上の成果が出ています。
まだまだ勉強中の身ではありますが、ここまでで得た知見を皆さんと共有させていただければと思います。
生活防衛資金ってどんなもの?ないとどうなる?
生活防衛資金とは
まずは生活防衛資金について、一言で説明すると、「万が一の事態に備えて貯めておくお金。」のことを指します。
貯金の一種で、いざというときに生活費に充てられることになります。
貯金というと結婚資金や子供の教育費、家の頭金、老後の費用などがありますが、それとはまた別のものを指します。
それよりももっと緊急時用の、生活費が得られなくなった際に一定期間生活を維持するために用意することを目的とした貯金で、家庭を守るために優先的に確保すべき金額です。
お子さんのいる家庭では、名前を知らずとも既に確保している事も多いのではないでしょうか?
生活防衛資金がないとどうなる?
前述の通り、いざというときのお金なので、いざというときに困ることになります。
例えば、突然の病気やケガ、リストラ、会社の倒産、自然災害の影響、親族の介護などで一時的に収入が途絶えてしまった場合が挙げられます。
傷病手当・失業保険等の補償や任意の生命保険や損害保険もありますが、補償を受けられるまでにある程度時間はかかります。
また、上限があったり、条件を満たす審査を通す必要もあります。
そういった際に、「生活防衛資金」を用意しておかないと本当に払うべき金額を払えなくなることがあります。
例えば、子供の入学金や塾代、車の車検代、家族の持病の医療費などを払えず、諦めることになるかもしれません。
それ以外にも、自動車税や固定資産税、前月のカード支払いなどを払えずにマイナスの状態になってしまうこともあります。
そもそも、収入がなければ生活費が足りず、衣・食・住が維持できないかもしれません。
そうならないためにも、「生活防衛資金」はしっかり確保しておく必要があります。
長い人生の中で、「詰んだ。」という状況にならないためのものです。
生活防衛資金を持つメリット
「生活防衛資金」は用意することは、いざというとき以外にもメリットはあります。
それは、以下の通りです。
- 精神的な安心感が得られる
- お金が貯まる
- 投資で失敗しにくくなる
①精神的な安心感が得られる
何かあったら一発アウトという状態は、家庭などの抱えるものが多ければ多いほどリスクが高くなります。
そのような環境の元では日々不安を抱えて精神的に不安定になり、余裕がなくなります。
そういったストレスから解放されることは、心の安定を生み、人間関係にもいい影響をもたらします。
余裕がないと、どうしてもイライラしてしまったり、他責思考になりがちです。
②お金が貯まる
意外かもしれませんが、物理的にお金が貯まります。
まず、あまり突発的にものを買わなくなります。
いつでも買える状態というのは、意外とその事実だけで満足してしまうことが多々あります。
一度貯めた経験のある人は、本当に欲しいものを見極め、無駄な買い物をせずにすみます。
また、生命保険や自動車保険についてもあまりお金がかかりません。
なぜかというと、いざというときの備えがあるならば、高額な保険に入る必要がそもそもないからです。
例えばですが、300万円の手持ちがあるならば、基本どんなケガや病気をしても、日本という国にいる限り十分なんとかなります。
傷病手当や高額医療制度があるからです。
つまり、300万円あれば、その金額以下の補償内容のものをプランに組み込む必要はないのです。
そして、いざというときの備えがない(お金のない)人ほど、高額なプランに入る必要があり、お金が貯まらないループとなります。
こういったことは、お金のある所にお金は集まるという言説の一端でもありますね。
投資で失敗しにくくなる
他の記事でも紹介しましたが、投資での失敗は焦ることや過度に怖がることで起こり易くなります。
焦ることで正常な判断力を失い、高騰時に機会損失を恐れて高値で購入し、暴落時には資産の減少に耐え切れず売却をしてしまいます。
特にインデックス積立投資についてはいかに余計なことをせずに淡々と積立を継続するかが重要なポイントです。
「生活防衛資金」を持つことで、余裕が生まれ、そういった失敗をしにくくなります。
ギャンブルと同じで、余裕のない人ほど損をするようにできています。
しっかり余裕をもって始めたいですね。
生活防衛資金の目安(独身、夫婦、3~4人家族、会社員、自営業)
「生活防衛資金」を考える際の前提として、収入の安定性・補償の有無が重要となります。
例えば会社員が病気になって入院したとしても、労災が適用されたり、傷病手当をもらって生活を維持することができます。
また、急に仕事がなくなったり、収入が大きく落ちる可能性も低いです。
万一仕事を失った場合も、失業保険で数か月はやり過ごせますし、再就職も比較的しやすくなっています。
自営業の場合はそういった収入の安定性・補償がないため、会社員よりも多くの「生活防衛資金」を用意する必要がああります。
それを踏まえた上で、様々な条件の「生活防衛資金」の目安を見ていきましょう。
会社員の場合
独身一人暮らし
独身一人暮らしの「生活防衛資金は」、生活費の3か月分~6か月分が目安とされています。
一人暮らしの1か月の生活費の平均は約16万円なので、48万円~96万円が「生活防衛資金の」目安と言えるでしょう。
もちろん、実態に合ったものである必要があるため、自身の1か月の生活費をしっかり算出して当てはめましょう。
車のローンがある、家賃の高いアパートに住んでいる等の場合はもっと高く見積もる必要があります。
ちなみに独身実家暮らしの場合は家賃や食費等の生活費がほぼ掛からず、親に頼るという選択肢もあります。
なので、基本的に「生活防衛資金」は必要ないと言って良いでしょう。(もちろんある程度の貯金は必要です。)
夫婦二人暮らし
夫婦二人暮らしの「生活防衛資金は」、生活費の3か月分~6か月分が目安とされています。
夫婦二人暮らしの1か月の生活費の平均は約30万円なので、90万円~180万円が「生活防衛資金の」目安と言えるでしょう。
もちろん、こちらも実態に合ったものである必要があるため、二人の1か月の生活費をしっかり算出して当てはめましょう。
車のローンがある、家賃の高いアパートに住んでいる等の場合はもっと高く見積もる必要があります。
また、夫婦共働きの場合は一人が働けなくなってももう一人の収入が途絶えるわけではないため、「生活防衛資金」は少なめに設定することも検討可能です。
二人の収入と貯金を合わせることで実現可能な金額ではあります。
しかし、この時期は結婚式や住宅購入などのライフイベントを挟むので意外と難しいことも多いイメージです。
子供のいる家庭(3人家族、4人家族)
子供のいる家庭の「生活防衛資金は」、生活費の6か月分~1年分が目安とされています。
子供がいることで教育費等の継続的に必要な金額が増えたり、突発的な出費が増えたり、身動きが取りづらいことで生活の建て直しに時間がかかることが多いため、長めの期間で設定されます。
三人家族の1か月の生活費の平均は約34万円なので、204万円~408万円が「生活防衛資金の」目安と言えるでしょう。
四人家族の1か月の生活費の平均は約33万円なので、198万円~396万円が「生活防衛資金の」目安と言えるでしょう。
もちろん、こちらも実態に合ったものである必要があるため、家族の1か月の生活費をしっかり算出して当てはめましょう。
自営業の場合
自営業の生活防衛資金の目安は会社員の約2倍と言われています。
自営業の場合は、前述の通り、会社員と比べて収入の安定性、労災や傷病手当・失業保険等の補償がありません。
なので生活防衛資金も多めに確保する必要があります。
家族構成を踏まえた上で、これまでの目安の倍の金額を目指して用意しましょう。
補足
以上の金額は、あくまで目安の金額です。
例えば以下のような要素は設定金額に影響を与えます。
- いざというときには両親や兄弟に頼ることができる。(↓)
- 収入が多いため、浪費分も多い。いざというときはその分を抑えたり、物を売ったりできる。(↓)
- リスク資産ではあるが、変動の少ない投資信託で1000万円以上所持しており、いつでも売買できる。(↓)
- 国債を数百万円分所持している。(↓)
- カードでの支払いがメインで、毎月の支払額が多い。(↑)
- 車や家を無理していいものを買ったので、固定費の割合が高い。(↑)
- 持病があり、いつ働けなくなるかわからない(↑)
等々、それぞれの事情を加味した上で設定すると良いでしょう。
最終的には自分たちに合った「生活防衛資金」をしっかり考えた上で作り上げる必要がありますね。
生活防衛資金がないと投資ははじめられないのか?
生活防衛資金がないと投資ははじめられないのか?
実際「今から「生活防衛資金」が貯まるのを待っているうちに、投資のモチベーションなくなっちゃうよ。」という方もたくさんいるかと思います。
これについては、明確に「NO!」といわせていただきます。
もちろん、生活を犠牲にしてでも投資をするべきというわけではありません。
投資は少額から開始できるからです。
例えば、月に5000円からでもNISAでインデックス積立投資を開始することは可能です。
そんなに小さな金額では、投資をする意味もないのでは?
そんなことはありませんよ!
投資という経験自体を、大きな金額で運用する前にしておくことに大きな意味があります。
一度大きな暴落を経験するだけでも、その後の運用への心構えが変わります。
また、実際に増えていく資産を見ることで、もっと入金をしたいと思うようになり、「生活防衛資金」を貯めるモチベーション維持にもつながります。
もちろん、生活度外視で無理をして投資につぎ込むのはダメですよ!
先に固定費の見直しをしましょう!
投資と「生活防衛資金」の並行をお勧めしましたが、その前に固定費の見直しを行いましょう。
固定費を下げることで、毎月の余剰金は増えていきます。
例えば、
- スマホ、PC通信費
- 電気・ガス代
- 生命保険・自動車保険
- 家賃
- 動画・音楽配信のサブスク
- 車検代等の自動車維持費 等々
まずは支出を減らすことで、生活に余裕が生まれてきます。
固定費の見直しは、なにより優先的に行いましょう。
これらについてはまた別の記事にまとめていきたいと思います。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
「生活防衛資金」への理解が深まり、自分がどれくらい用意すべきなのか見えてきたのではないかと思います。
また、「生活防衛資金」を用意することはそれ自体にメリットがあり、用意することによってさらにお金を呼び寄せることができます。
皆さんも「生活防衛資金」を用意しつつ、投資を始めて豊かな生活を目指してともに頑張っていきましょう。
毎月の5000円が、資産家としての第一歩です!
皆様の投資家ライフのお役に立てればうれしいです!
また次の記事でお会いしましょう!
執筆者:つかさ
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