連携強化加算の2024年算定要件についてわかりやすく解説!

目次

算定要件の概要(2024年度)原文ベース

算定要件

連携強化加算 5点

別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険薬局(注2に規定する別に厚生労働大臣が定める保険薬局(特別調剤基本料B)を除く。)において調剤を行った場合は、連携強化加算として、5点を所定点数に加算する。
また、特別調剤基本料Aを算定する保険薬局において、別に厚生労働大臣が定める保険医療機関が、組織的な感染防止対策につき医科点数表の区分番号A000に掲げる初診料の注11及びA001に掲げる再診料の注15又は医科点数表の区分番号A234-2及び歯科点数表の区分番号A224-2に掲げる感染対策向上加算の施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関である場合は、算定できない。

つかさ

施設基準を満たすことで算定が可能となる調剤基本料の加算です。
2024改定より、2点→5点にアップしました。
また、地域支援体制加算の算定が前提ではなくなりました。
特別調剤基本料Bを算定する保険薬局は算定不可です。
特別調剤基本料Aを算定する保険薬局は、以下の場合に算定不可です。
・敷地内の保険医療機関が外来感染対策向上加算(医科)もしくは感染対策向上加算(医科)の届出を行っている場合
・敷地内の保険医療機関の処方箋受付割合が50%を超えている場合(後述)

実施上の留意事項

(1) 連携強化加算は、他の保険薬局、保険医療機関及び都道府県等との連携により、災害又は新興感染症の発生時等の非常時に必要な体制が整備されている保険薬局において、調剤を行った場合に算定できる
この場合において、災害又は新興感染症の発生時等において対応可能な体制を確保していることについて当該保険薬局のほか、当該保険薬局の所在地の行政機関、薬剤師会等のホームページ等で広く周知すること。

つかさ

地域の薬局として、災害時や新興感染症発生時等の非常時に他医療機関と連携して職能を発揮するための体制を評価した調剤報酬です。
体制に対する調剤報酬なので、算定要件のメインは施設基準となります。

(2) 連携強化加算は、「00」特別調剤基本料Aを算定する保険薬局において、「特掲診療料の施設基準等(平成 20 年厚生労働省告示第 63 号)」第十五の四の三に規定する保険医療機関が医科点数表の「A000」初診料の「注 11」及び「A001」再診料の「注 15」に規定する外来感染対策向上加算又は医科点数表の「A234-2」及び歯科点数表の「A224-2」感染対策向上加算届出を行った保険医療機関である場合は、算定できない

(3) 連携強化加算は特別調剤基本料Bを算定している保険薬局は算定できない。

施設基準

施設基準の概要

四の二 連携強化加算の施設基準

(1)感染症法第六条第十七項に規定する第二種協定指定医療機関であること。

(2)災害の発生時等において、他の保険薬局等との連携により非常時における対応につき必要な体制 が整備されていること。

(3)情報通信機器を用いた服薬指導(オンライン服薬指導)を行う体制が整備されていること。

つかさ

以上が施設基準の概要として示されています。
こちらの詳細は次項で説明されております。

施設基準の詳細

(1) 都道府県知事より第二種協定指定医療機関の指定を受けており、次に掲げる体制が整備されていること。
ア 当該保険薬局において、感染症に係る最新の科学的知見に基づいた適切な知識を習得することを目的として、年1回以上、当該保険薬局の保険薬剤師に対する研修を実施する、又は、外部の機関が実施する研修に当該保険薬局の保険薬剤師を参加させること。
新型インフルエンザ等感染症、指定感染症又は新感染症(以下「新型インフルエンザ等感染症等」という。)に係る医療の提供に当たっての訓練を、年1回以上、当該保険薬局において実施する、又は、外部の機関が実施する訓練に当該保険薬局の保険薬剤師を参加させること。
ウ 新型インフルエンザ等感染症等に係る発生等の公表が行われたときから新型インフルエンザ等感染症等と認められなくなった旨の公表等が行われるまでの間において、都道府県知事からの要請を受けて、自宅療養者等に対して、調剤、オンライン又は訪問による服薬指導、薬剤等の交付(配送による対応を含む。)等の対応を行う体制が整っていること。
エ 新型インフルエンザ等感染症等に係る医療の提供を迅速かつ的確に行う観点から、個人防護具を備蓄していること。
オ 新型インフルエンザ等感染症等の発生時等において、要指導医薬品及び一般用医薬品の提供、感染症に係る体外診断用医薬品(検査キット)の提供、マスク等の感染症対応に必要な衛生材料等の提供ができる体制を新型インフルエンザ等感染症等の発生等がないときから整備し、これらを提供していること。

つかさ

都道府県知事より第二種協定指定医療機関の指定を受ける必要があります。
その中で、各種研修の実施もしくは参加。
オンライン服薬指導等の体制整備。
個人防護具や、その他提供用のOTC・マスク等の衛生材料の提供体制の整備が必要とされています。

(2) 災害の発生時等において他の保険薬局等(同一薬局グループ以外の薬局を含む。)との連携に係る体制として、次に掲げる体制が整備されていること。
災害の発生時等に、医薬品の提供施設として薬局機能を維持し、自治体からの要請に応じて、避難所・救護所等における医薬品の供給又は調剤所の設置に係る人員派遣等の協力等を行う体制が整備されていること。
医薬品の供給や地域の衛生管理に係る対応等を行うことについて、災害の被災状況に応じた対応を習得する研修を薬局内で実施する、又は、地域の協議会、研修若しくは訓練等に参加するよう計画を作成し、実施すること。また、協議会、研修又は訓練等には、年1回程度参加することが望ましい。
ウ 災害の発生時等において、地方公共団体や地域の薬剤師会等と協議の上で、当該保険薬局のみ又は当該保険薬局を含む近隣の保険薬局と連携して、夜間、休日等の開局時間外であっても調剤及び在宅業務に対応できる体制が整備されていること。

つかさ

災害時を想定して体制を整備する必要があります。
災害発生時においても医薬品供給体制、人員派遣等の協力体制を整備。
災害時の対応を習得する研修の実施もしくは参加(年1回)。
夜間、休日等の開局時間外の調剤及び在宅業務に対応できる体制の整備が必要となります。

(3) 災害や新興感染症発生時における対応可能な体制を確保していることについて、当該保険薬局及び同一グループのほか、地域の行政機関、薬剤師会等のウェブサイト等で広く周知していること。

つかさ

体制の周知に関してはこちらにまとめてあります。

(4) 災害や新興感染症発生時における薬局の体制や対応について、それぞれの状況に応じた手順書等を作成し、当該保険薬局の職員に対して共有していること。

つかさ

手順書を作成・共有する必要があります。

(5) 情報通信機器を用いた服薬指導を行うために以下の体制が整備されていること。
「オンライン服薬指導の実施要領について」(令和4年9月 30 日付け薬生発 0930 第1号)の別添(以下「オンライン服薬指導の実施要領」という。)第4の(4)に基づき、必要な通信環境を確保すること。
イ オンライン服薬指導の実施要領の第4の(5)に基づき、薬局内の保険薬剤師に対して、必要な知識を習得させるための研修を実施すること。
ウ 最新の厚生労働省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」を参照し、また、「「薬局におけるサイバーセキュリティ対策チェックリスト」及び「薬局におけるサイバーセキュリティ対策チェックリストマニュアル~薬局・事業者向け~」等について」(令和5年 10 月 13 日付け医政参発 1013 第2号・医薬総発 1013 第1号医政局特定医薬品開発支援・医療情報担当参事官・医薬局総務課長通知)の別添1、別添2及び別添4を活用するなどして、サイバー攻撃に対する対策を含めセキュリティ全般について適切な対応を行うこと。

(4)通信環境(情報セキュリティ・プライバシー・利用端末)
オンライン服薬指導の実施における情報セキュリティ及びプライバシー保護等の観点から、「「オンライン診療の適切な実施に関する指針」の策定について」(平成30年3月30日付け医政発0330第46号厚生労働省医政局長通知。以下「オンライン診療指針」という。)に示された内容を参考に、必要な通信環境を確保すること。なお、医療情報システムに影響を及ぼす可能性があるシステムを用いる場合、「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」に沿った対策を行うこと。特に「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」では、個人所有端末の業務利用については、一定の要件が求められていることに留意すること。患者側の通信環境については、患者の希望に応じたデバイスやネットワークに対応できるよう配慮すること。

(5)薬剤師に必要な知識及び技能の確保
オンライン服薬指導の実施に当たっては、薬学的知識のみならず、情報通信機器の使用や情報セキュリティ等に関する知識が必要となるため、薬局開設者は、オンライン服薬指導を実施する薬剤師に対しオンライン服薬指導に特有の知識等を習得させるための研修材料等を充実させること。その際、厚生労働省HPに掲載予定のオンライン服薬指導に関するe-learning等が教材として活用可能であるので、参考にすること。

つかさ

オンライン服薬指導の体制整備を行う必要があります。

(6) 要指導医薬品及び一般用医薬品を販売していること。
ただし、要指導医薬品等は単に最低限の品目を有していればいいものではなく、購入を希望して来局する者が症状等に応じて必要な医薬品が選択できるよう、新型インフルエンザ等感染症等の発生時に必要となる様々な種類の医薬品及び検査キット(体外診断用医薬品)を取り扱うべきであること。
なお、取り扱う要指導医薬品等の選択に当たっては、健康サポート薬局の届出要件とされている 48薬効群を参考にすること。

つかさ

要指導医薬品及び一般用医薬品の販売体制が必要です。
地域支援体制加算と同様に、健康サポート薬局の届出要件とされている48薬効群を参考とすることとなっています。

連携強化加算の施設基準に関する留意点

1の(3)について、単に厚生局の届出のウェブサイトに掲載される一覧にリンクを張ったのみでは、行政機関又は薬剤師会等が情報提供していることには該当しない。

つかさ

周知について、詳しくはこちら

届出に関する事項

(1) 保険薬局の連携強化加算の施設基準に係る届出は、別添2の様式 87 の3の4を用いるこ
と。
(2) 令和6年3月 31 日において現に連携強化加算の届出を行っている保険薬局については、
令和6年 12 月 31 日までの間に限り、1の(1)(第二種協定指定医療機関)に該当するものとみなす。

経過措置

令和6年3月31日において現に調剤基本料の連携強化加算の施設基準に係る届出を行っている保険薬局については、同年12月31日までの間に限り、第十五の四の二の(1)の基準(第二種協定指定医療機関であること)を満たしているものとみなす。

つかさ

逆に言うと、連携強化加算を継続するには令和6年12月31日までに第二種協定指定医療機関として認められる必要があります。

災害や新興感染症発生時における対応可能な体制を確保の周知について

災害や新興感染症発生時における対応可能な体制を確保していることについて、当該保険薬局及び同一グループのほか、地域の行政機関、薬剤師会等のウェブサイト等で広く周知していること。

と原文より記載がされてます。

この周知の方法については、

単に厚生局の届出のウェブサイトに掲載される一覧にリンクを張ったのみでは、行政機関又は薬剤師会等が情報提供していることには該当しない。

といったことも原文より示されております。

では実際どういったものが該当するのかについて、こちらは疑義解釈(令和6年4月12日)にて、以下のように示されています。

まず、周知対象は以下が挙げられます。

  • 地域の住民や行政機関
  • 保険医療機関
  • 訪問看護ステーション
  • 福祉関係者等

これらが当該情報を把握しやすいよう、市町村や地区の単位で整理し、周知することが求められるため、保険薬局においては、当該薬局の所在地の地域でこれらの対応を実施することになる行政機関又は薬剤師会等と相談されたい。
また、このような情報は定期的に更新されている必要があり、さらに、都道府県単位で集約して周知されていることがより望ましい。
周知すべき情報としては、各加算の要件に基づき、例えば以下のようなものが考えられるが、これらに限らず地域にとって必要な情報を収集及び整理すること。

【当該加算で求めている周知すべき情報】
災害や新興感染症における対応可能な体制に係る情報
【具体的な項目例】
・ 改正感染症法に基づく第二種協定指定医療機関としての指定に係る情報
・ オンライン服薬指導の対応の可否
・ 要指導医薬品・一般用医薬品の取扱いに係る情報
・ 検査キット(体外診断用医薬品)の取扱いに係る情報

そして、疑義解釈(令和6年4月26日)にて、さらに以下のような見解が示されました。

当該薬剤師会が会員のみを対象として当該情報を整理、収集して公表している場合、加算の要件の対応として適切ではないため不可。
当該加算を届け出る保険薬局が所在する地域において、地域の住民や行政機関、保険医療機関、訪問看護ステーション及び福祉関係者等が当該情報を把握しやすいよう、地域の薬剤師会等の会員であるか非会員であるかを問わず、市町村や地区の単位で必要な情報を整理し、周知されている必要がある。

つかさ

物議を醸しだした内容の一つですね。
「薬剤師会への入会を強制するのか。」という意見と、「薬剤師会費を払っていない店舗の周知を会員薬局の会費で成り立つ薬剤師会が補助しなければいけないのか。」という意見が対立していた記憶があります。
結果的には疑義解釈(令和6年4月26日)の結果を受け、非会員薬局の掲載も薬剤師会で行うこととなった地域が多いのではないでしょうか。
詳細は所属地域の薬剤師会・行政機関へお問い合わせください。

疑義解釈

疑義解釈(令和6年5月30日)

問1 地域支援体制加算、連携強化加算及び在宅薬学総合体制加算の施設基準において求められる薬局の機能等に係る情報の周知について、行政機関や薬剤師会等を通じた公表の手続を行っているが、これらの加算の届出時点では当該薬局の情報が公表されていない場合であっても届出を行うことは可能か。

(答)届出要件を満たすために、保険薬局が所在する地域の行政機関や薬剤師会等に対して当該薬局が公表のための必要な手続きを行っており、情報が公表されることが担保されている場合には、届出時点で当該薬局の情報が公表されていなくても差し支えない。この場合、地域支援体制加算の届出にあたっては、上記内容が確認できる資料(例:公表のための手続を行ったメールの写し等)を添付すること。
また、届出後においては、必要な情報が速やかに公表されていることを確認しておくこと。
なお、「疑義解釈資料の送付について(その3)」(令和6年4月 26 日事務連絡)の別添5の問3のとおり、当該薬剤師会が会員のみを対象として当該情報を収集、整理し、公表している場合は、施設基準を満たさないことに留意すること。

出典:疑義解釈資料の送付について(その6) 厚生労働省 令和6年5月30日

疑義解釈(令和6年5月17日)

問1 連携強化加算及び医療DX推進体制整備加算の施設基準として、「サイバー攻撃に対する対策を含めセキュリティ全般について適切な対応を行うこと」とされており、「薬局におけるサイバーセキュリティ対策チェッ
クリスト」及び「薬局におけるサイバーセキュリティ対策チェックリストマニュアル~薬局・事業者向け~」を活用することとされているが、これらの資料が更新された場合には、いつまでに、その内容を踏まえて当該体制を見直すことが必要か。

(答)医療情報システムを取り巻く環境は刻一刻と変動していくものであり、セキュリティに関する内容も、最新のガイドライン、チェックリスト等を活用し、適切な対応を行う必要があることから、関係するガイドライン等が更新された場合には、速やかに対応する必要がある。
なお、現時点においては、「令和6年度版「薬局におけるサイバーセキュリティ対策チェックリスト」及び「薬局におけるサイバーセキュリティ対策チェックリストマニュアル~薬局・事業者向け~」について」(令和6年5月 13 日付け医政参発 0513 第9号・医薬総発 0513 第2号医政局特定医薬品開発支援・医療情報担当参事官・医薬局総務課長通知)の別添1及び別添2が最新の資料となるが、厚生労働省のホームページに医療情報システムの安全管理に関するガイドラインに関する最新の情報が掲載されているので、適宜参照されたい。
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/0000516275_00006.html

問2 連携強化加算に関する施設基準において、保険薬局の保険薬剤師が年1回以上、感染症に係る最新の科学的知見に基づいた適切な知識を習得することを目的とした研修及び新型インフルエンザ等感染症等に係る医療の
提供に当たっての訓練を受けることとされているが、当該加算の届出までにこれらの研修及び訓練を受けていなければならないのか。

(答)届出までに当該研修及び当該訓練を受けていなくても差し支えないが、当該加算で求められることに対応する前提となるため、できる限り速やかに実施すること。また、保険薬局の保険薬剤師が年1回以上、必要な研修及び訓練を受けることができるよう、あらかじめ計画を策定し、確実に実施することも必要である。
なお、厚生労働省の事業により、公益社団法人日本薬剤師会が薬局における新興感染症への対応を含めた感染対策に係る研修プログラムや研修資材等の作成を行ったところであり、準備が整い次第厚生労働省のホームページに掲載される予定である。

出典:疑義解釈資料の送付について(その5) 厚生労働省 令和6年5月17日

疑義解釈(令和6年5月10日)

問1 連携強化加算の施設基準の経過措置について、令和6年3月 31 日において現に連携強化加算の施設基準に係る届出を行っていることとされているが、単に届出を行っていれば経過措置の対象となるのか。

(答)当該施設基準の届出を行ったうえで、令和6年3月 31 日において現に当該加算を算定している場合は、経過措置の対象となる。

出典:疑義解釈資料の送付について(その4) 厚生労働省 令和6年5月10日

疑義解釈(令和6年4月26日)

問3 地域支援体制加算、連携強化加算及び在宅薬学総合体制加算の施設基準に関し、各加算の要件に示す情報を地域の薬剤師会を通じて周知しているが、当該薬剤師会が会員のみを対象として当該情報を整理、収集して公表している場合、施設基準を満たしていることになるか。

(答)加算の要件の対応として適切ではないため不可。当該加算を届け出る保険薬局が所在する地域において、地域の住民や行政機関、保険医療機関、訪問看護ステーション及び福祉関係者等が当該情報を把握しやすいよう、地域の薬剤師会等の会員であるか非会員であるかを問わず、市町村や地区の単位で必要な情報を整理し、周知されている必要がある。

出典:疑義解釈資料の送付について(その3) 厚生労働省 令和6年4月26日

疑義解釈(令和6年4月12日)

問3 地域支援体制加算、連携強化加算及び在宅薬学総合体制加算の施設基準において、地域の行政機関又は薬剤師会等を通じて各加算の要件に示す情報を周知することとされているが、どのように周知すればよいのか。

(答)各加算の施設基準において求められる機能等について、地域の住民や行政機関、保険医療機関、訪問看護ステーション及び福祉関係者等が当該情報を把握しやすいよう、市町村や地区の単位で整理し、周知することが求められるため、保険薬局においては、当該薬局の所在地の地域でこれらの対応を実施することになる行政機関又は薬剤師会等と相談されたい。また、このような情報は定期的に更新されている必要があり、さらに、都道府県単位で集約して周知されていることがより望ましい。
各加算に関して周知すべき情報としては、各加算の要件に基づき、例えば以下のようなものが考えられるが、これらに限らず地域にとって必要な情報を収集及び整理すること。
○地域支援体制加算
(当該加算で求めている周知すべき情報)
休日、夜間を含む開局時間外であっても調剤及び在宅業務に対応できる体制に係る情報(具体的な項目例)
・ 休日、夜間に対応できる薬局の名称、所在地、対応できる日時(開局日、開局時間)、連絡先等(地域ごとに、輪番制の対応も含め、具体的な日付における休日、夜間対応できる薬局の情報を示すこと)
○連携強化加算
(当該加算で求めている周知すべき情報)
災害や新興感染症における対応可能な体制に係る情報
(具体的な項目例)
・ 改正感染症法に基づく第二種協定指定医療機関としての指定に係る情報
・ オンライン服薬指導の対応の可否
・ 要指導医薬品・一般用医薬品の取扱いに係る情報
・ 検査キット(体外診断用医薬品)の取扱いに係る情報

○在宅薬学総合体制加算
(当該加算で求めている周知すべき情報)
患者の急変時等の開局時間外における在宅業務に対応できる体制に係る情報
(具体的な項目例)
・ 開局時間外の在宅業務への対応の可否(対応可能な時間帯を含む。)
・ 医療用麻薬(注射薬を含む。)の取扱いに係る情報
・ 高度管理医療機器の取扱いの可否
・ 無菌製剤処理の対応の可否(自局での対応の可否を含む。)
・ 小児在宅患者(医療的ケア児等)の対応の可否
・ 医療材料・衛生材料の取扱いの可否
なお、既にこのような情報を地域で整理し、ホームページで公表しているものの、各加算で周知が求められる項目の一部が対応していない場合には、当面の間は、対応できていない情報を追加的にまとめた一覧を公表するなどの対応で情報を補完することでも差し支えない。
これに伴い「疑義解釈資料の送付について(その1)」(令和6年3月 28 日事務連絡)別添6の問2は廃止する。

出典:疑義解釈資料の送付について(その2) 厚生労働省 令和6年4月12日

疑義解釈(令和6年3月31日)

問1 「調剤報酬点数表における「連携強化加算」の施設基準等の取扱いについて」(令和5年3月 24 日厚生労働省保険局医療課事務連絡)について、地域において薬局・店舗販売業や自治体との連携・協力を通じて、夜間休日などであっても新型コロナウイルスに係る抗原定性検査キット(以下「抗原検査キット」という。)を地域住民が入手できるような販売体制を取っていることで、同事務連絡の1.①を満たしていると解してよいか。

(答)よい。なお、開局時間、時間外対応(対応方法・連絡先等)等の抗原検査キットの販売体制について、自治体、関係団体等(都道府県薬剤師会又は地区薬剤師会等)のホームページ、広報誌等において広報することや、薬局において内側及び外側の見やすい場所に掲示を行うこと等、広く周知すること。

出典:疑義解釈資料の送付について(その 46) 厚生労働省 令和5年3月31日

疑義解釈(令和6年3月28日)

問3 問2(こちらは廃止され、疑義解釈(令和6年4月12日)問3に刷新されている)における周知について、薬局機能情報提供制度による情報に含まれる情報については、当該制度の情報提供をもって周知を行ったものとみなしてよいか。

(答)不可。各施設基準において求める情報の周知については、薬局機能情報提供制度による網羅的な情報提供ではなく、地域における医薬品提供体制について、各加算の施設基準において求められる機能をわかりやすくまとめた形で情報提供を行うことが必要であり、また、休日、夜間対応については、地域で対応できる薬局の情報が随時更新される必要がある。

出典:疑義解釈資料の送付について(その1) 厚生労働省 令和6年3月28日

疑義解釈(令和4年4月11日)

問5 地域支援体制加算の届出を行っている保険薬局において、必要な体制等が整備された場合に、地域支援体制加算の届出とは別に連携強化加算の届出を行ってよいか。

(答)よい。

保険調剤Q&A(令和6年度版より一部抜粋)

該当項目なし。

原文(2024年算定要件・留意事項・施設基準)

00 調剤基本料(処方箋の受付1回につき)
6 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険薬局(注2に規定する別に厚生労働大臣が定める保険薬局を除く。)において調剤を行った場合は、連携強化加算として、5点を所定点数に加算する。また、特別調剤基本料Aを算定する保険薬局において、別に厚生労働大臣が定める保険医療機関が、組織的な感染防止対策につき医科点数表の区分番号A000に掲げる初診料の注11及びA001に掲げる再診料の注15又は医科点数表の区分番号A234-2及び歯科点数表の区分番号A224-2に掲げる感染対策向上加算の施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関である場合は、算定できない。

出典:診療報酬の算定方法の一部を改正する告示 厚生労働省告示第57号 別表第三調剤報酬点数表 厚生労働省 令和6年3月5日

区分00 調剤基本料
4 連携強化加算
(1) 連携強化加算は、他の保険薬局、保険医療機関及び都道府県等との連携により、災害又は新興感染症の発生時等の非常時に必要な体制が整備されている保険薬局において、調剤を行った場合に算定できる。この場合において、災害又は新興感染症の発生時等において対応可能な体制を確保していることについて当該保険薬局のほか、当該保険薬局の所在地の行政機関、薬剤師会等のホームページ等で広く周知すること。
(2) 連携強化加算は、「00」特別調剤基本料Aを算定する保険薬局において、「特掲診療料の施設基準等(平成 20 年厚生労働省告示第 63 号)」第十五の四の三に規定する保険医療機関が医科点数表の「A000」初診料の「注 11」及び「A001」再診料の「注 15」に規定する外来感染対策向上加算又は医科点数表の「A234-2」及び歯科点数表の「A224-2」感染対策向上加算の届出を行った保険医療機関である場合は、算定できない。
(3) 連携強化加算は特別調剤基本料Bを算定している保険薬局は算定できない。

出典:診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について 保医発0305第4号 別添3 調剤報酬点数表に関する事項 厚生労働省 令和6年3月5日

四の二 連携強化加算の施設基準
(1)感染症法第六条第十七項に規定する第二種協定指定医療機関であること。
(2)災害の発生時等において、他の保険薬局等との連携により非常時における対応につき必要な体制 が整備されていること。
(3)情報通信機器を用いた服薬指導を行う体制が整備されていること。

四の三 調剤基本料の注6に規定する厚生労働大臣が定める保険医療機関
当該特別調剤基本料Aを算定する保険薬局と不動産取引等その他の特別な関係を有している保険医療機関(当該保険薬局の所在する建物内に所在しているもの(診療所に限る。)を除く。)であって、当該保険薬局における当該保険医療機関に係る処方箋による調剤の割合が五割を超える保険医療機関であること。

出典:特掲診療料の施設基準等の一部を改正する件 厚生労働省告示第59号 厚生労働省 令和6年3月5日

第 92 の2 連携強化加算
1 連携強化加算に関する施設基準
(1) 都道府県知事より第二種協定指定医療機関の指定を受けており、次に掲げる体制が整備されていること。
ア 当該保険薬局において、感染症に係る最新の科学的知見に基づいた適切な知識を習得することを目的として、年1回以上、当該保険薬局の保険薬剤師に対する研修を実施する、又は、外部の機関が実施する研修に当該保険薬局の保険薬剤師を参加させること。
イ 新型インフルエンザ等感染症、指定感染症又は新感染症(以下「新型インフルエンザ等感染症等」という。)に係る医療の提供に当たっての訓練を、年1回以上、当該保険薬局において実施する、又は、外部の機関が実施する訓練に当該保険薬局の保険薬剤師を参加させること。
ウ 新型インフルエンザ等感染症等に係る発生等の公表が行われたときから新型インフルエンザ等感染症等と認められなくなった旨の公表等が行われるまでの間において、都道府県知事からの要請を受けて、自宅療養者等に対して、調剤、オンライン又は訪問による服薬指導、薬剤等の交付(配送による対応を含む。)等の対応を行う体制が整っていること。
エ 新型インフルエンザ等感染症等に係る医療の提供を迅速かつ的確に行う観点から、個人防護具を備蓄していること。
オ 新型インフルエンザ等感染症等の発生時等において、要指導医薬品及び一般用医薬品の提供、感染症に係る体外診断用医薬品(検査キット)の提供、マスク等の感染症対応に必要な衛生材料等の提供ができる体制を新型インフルエンザ等感染症等の発生等がないときから整備し、これらを提供していること。
(2) 災害の発生時等において他の保険薬局等(同一薬局グループ以外の薬局を含む。)との連携に係る体制として、次に掲げる体制が整備されていること。
ア 災害の発生時等に、医薬品の提供施設として薬局機能を維持し、自治体からの要請に応じて、避難所・救護所等における医薬品の供給又は調剤所の設置に係る人員派遣等の協力等を行う体制が整備されていること。
イ 医薬品の供給や地域の衛生管理に係る対応等を行うことについて、災害の被災状況に応じた対応を習得する研修を薬局内で実施する、又は、地域の協議会、研修若しくは訓練等に参加するよう計画を作成し、実施すること。また、協議会、研修又は訓練等には、年1回程度参加することが望ましい。
ウ 災害の発生時等において、地方公共団体や地域の薬剤師会等と協議の上で、当該保険薬局のみ又は当該保険薬局を含む近隣の保険薬局と連携して、夜間、休日等の開局時間外であっても調剤及び在宅業務に対応できる体制が整備されていること。
(3) 災害や新興感染症発生時における対応可能な体制を確保していることについて、当該保険薬局及び同一グループのほか、地域の行政機関、薬剤師会等のウェブサイト等で広く周知していること。
(4) 災害や新興感染症発生時における薬局の体制や対応について、それぞれの状況に応じた手順書等を作成し、当該保険薬局の職員に対して共有していること。
(5) 情報通信機器を用いた服薬指導を行うために以下の体制が整備されていること。
ア 「オンライン服薬指導の実施要領について」(令和4年9月 30 日付け薬生発 0930 第1号)の別添(以下「オンライン服薬指導の実施要領」という。)の第4の(4)に基づき、必要な通信環境を確保すること。
イ オンライン服薬指導の実施要領の第4の(5)に基づき、薬局内の保険薬剤師に対して、必要な知識を習得させるための研修を実施すること。
ウ 最新の厚生労働省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」を参照し、また、「「薬局におけるサイバーセキュリティ対策チェックリスト」及び「薬局におけるサイバーセキュリティ対策チェックリストマニュアル~薬局・事業者向け~」等について」(令和5年 10 月 13 日付け医政参発 1013 第2号・医薬総発 1013 第1号医政局特定医薬品開発支援・医療情報担当参事官・医薬局総務課長通知)の別添1、別
添2及び別添4を活用するなどして、サイバー攻撃に対する対策を含めセキュリティ全般について適切な対応を行うこと。
(6) 要指導医薬品及び一般用医薬品を販売していること。ただし、要指導医薬品等は単に最低限の品目を有していればいいものではなく、購入を希望して来局する者が症状等に応じて必要な医薬品が選択できるよう、新型インフルエンザ等感染症等の発生時に必要となる様々な種類の医薬品及び検査キット(体外診断用医薬品)を取り扱うべきであること。なお、取り扱う要指導医薬品等の選択に当たっては、健康サポート薬局の届出要件とされている 48薬効群を参考にすること。
2 連携強化加算の施設基準に関する留意点
1の(3)について、単に厚生局の届出のウェブサイトに掲載される一覧にリンクを張ったのみでは、行政機関又は薬剤師会等が情報提供していることには該当しない。
3 届出に関する事項
(1) 保険薬局の連携強化加算の施設基準に係る届出は、別添2の様式 87 の3の4を用いること。
(2) 令和6年3月 31 日において現に連携強化加算の届出を行っている保険薬局については、令和6年 12 月 31 日までの間に限り、1の(1)に該当するものとみなす。

出典:特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて 保医発0305第6号 厚生労働省 令和6年3月5日

第十七 経過措置
八 令和六年三月三十一日において現に調剤基本料の連携強化加算の施設基準に係る届出を行っている保険薬局については、同年十二月三十一日までの間に限り、第十五の四の二の(1)の基準を満たしているものとみなす。

出典:特掲診療料の施設基準等の一部を改正する件 厚生労働省告示第59号 厚生労働省 令和6年3月5日

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