早見表(2024年算定要件・薬歴・算定タイミング・レセプト、施設基準)
算定要件の概要(2024年度)
算定要件
調剤管理加算 3点
別に厚生労働大臣が定める保険薬局(注3に規定する別に厚生労働大臣が定める保険薬局を除く。)において、複数の保険医療機関から6種類以上の内服薬(特に規定するものを除く。)が処方されている患者又はその家族等に対して、当該患者が服用中の薬剤について、服薬状況等の情報を一元的に把握し、必要な薬学的管理を行った場合は、調剤管理加算として、次に掲げる点数をそれぞれ所定点数に加算する。
イ 初めて処方箋を持参した場合 3点
ロ 2回目以降に処方箋を持参した場合であって処方内容の変更により薬剤の変更又は追加があった場合 3点
ポリファーマシーの管理に対する報酬ですね。
複数の保険医療機関から処方があることが前提であることに注意ですが、他薬局で調剤されている内服薬も6種類にカウントできます。
また、お薬手帳の持参率50%未満の薬局は算定できません。
実施上の留意事項
ア 調剤管理加算は、複数の保険医療機関から合計で6種類以上の内服薬(特に規定するものを除く。)が処方されている患者であって、初めて処方箋を持参した場合又は2回目以降に処方箋を持参した場合であって処方内容の変更により薬剤の変更又は追加があった場合に、患者又はその家族等に対して、当該患者が服用中の薬剤について、重複投薬、相互作用等の有無を確認した上で、手帳、オンライン資格確認等システムを活用した診療情報、薬剤情報等の情報、薬剤服用歴等、直接患者又はその家族等から収集した服薬状況等の情報等に基づき、服薬状況等の情報を一元的に把握し、必要な薬学的分析を行った場合に処方箋受付1回につき算定する。
6種類以上の内服薬が処方されている患者はそれ未満の患者よりも調剤や服薬指導にかかる時間が多くなりがちという調査結果を受けて、それを評価する救済的な報酬であるといえます。ただ、点数の割に算定条件が複雑なため、上手く算定できていないことも多い印象です。
イ 算定に当たっては、調剤後も患者の服用薬や服薬状況に関する情報等を把握し、必要に応じ処方医に情報提供すること。
ウ アにおいて確認した服薬状況等の情報及び薬学的分析の要点について薬剤服用歴等に記載する。
算定のための行動に関しては特別なことは正直ありません。
保険薬剤師の通常の業務通りと言っていいでしょう。
エ 調剤している内服薬の種類数に屯服薬は含めない。
オ 内服薬の種類数の計算に当たっては、錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤及び液剤については、1銘柄ごとに1種類として計算する。
カ 患者の服用する薬剤の副作用の可能性の検討等を行うに当たっては、「高齢者の医薬品適正使用の指針(総論編)」(厚生労働省)、「高齢者の医薬品適正使用の指針(各論編(療養環境別))」(厚生労働省)、「病院における高齢者のポリファーマシー対策の始め方と進め方」(厚生労働省)及び日本老年医学会の関連ガイドライン(高齢者の安全な薬物療法ガイドライン)等を参考にすること。
キ 「2回目以降に処方箋を持参した場合であって処方内容の変更により薬剤の変更又は追加があった場合」とは、薬剤服用歴等が保存されている患者において、当該保険薬局で調剤している内服薬について、処方内容の変更により内服薬の種類が変更した場合又は内服薬の種類数が1種類以上増加した場合をいう。なお、調剤している内服薬と同一薬効分類の有効成分を含む配合剤及び内服薬以外の薬剤への変更は、内服薬の種類が変更した場合に含めない。
同一薬効分類への変更は、種類の変更として認められません。
減薬についても要件に該当しない点に注意が必要です。
施設基準
調剤管理料の注4に規定する厚生労働大臣が定める保険薬局
重複投薬等の解消に係る取組の実績を有している保険薬局であること。
1 調剤管理加算に関する施設基準
(1) 「重複投薬等の解消に係る取組の実績を有している保険薬局」とは、過去一年間に服用薬剤調整支援料を1回以上算定した実績を有している保険薬局であること。
(2) 服用薬剤調剤支援料の直近の算定日の翌日から翌年の同月末日までの間は、「1回以上算定した実績」をもって重複投薬等の解消に係る取組の実績として適用する。
2 届出に関する事項
調剤管理加算に係る取扱いについては、当該基準を満たしていればよく、特に地方厚生(支)局長に対して、届出を行う必要はない。
施設基準として、服用薬剤調整支援料1か2の算定実績が必要です。
例えば2024年4月20日に服用薬剤調整支援料の算定を行った場合、2024年4月21日から2025年4月30日まで施設基準を満たせることとなります。
届け出を行う必要はありません。
補足
- 総合病院のように、同一医療機関の複数科で6種類以上の内服薬が処方されている場合では要件を満たさない
- 同一薬効分類の医薬品への変更では要件を満たさない
薬効分類とは、薬効分類表で示される、薬効ごとにコード番号で区分されたものをいいます。
KEGG MEDICUS 医薬品情報のページは皆さんも見たことがあるかと思いますが、ここでの薬効分類番号の頭3文字が該当します。
例えば、PPIとH2ブロッカーは同じ232番の消化性潰瘍剤に分類されてしまうため、変更となっても算定不可です。 - 複数の処方箋を同時受付した場合、算定は1回のみ
- 前回の処方箋受付から3年以上経っている場合は、「初めて処方箋を持参した場合」としてよい
同時算定(併算定)、算定回数(算定タイミング)について
他調剤報酬との併算定の可否は以下の通りです。
参照:診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について 保医発0305第4号 別添3 調剤報酬点数表に関する事項 厚生労働省 令和6年3月5日
疑義解釈
疑義解釈(令和4年3月31日)
問 17 同一保険医療機関の複数診療科から合計で6種類以上の内服薬(特に規定するものを除く。)が処方されている患者について、調剤管理加算は算定可能か。
(答)不可。
問 18 複数の保険医療機関から合計で6種類以上の内服薬(特に規定するものを除く。)が処方されている患者について、当該患者の複数の保険医療機関が交付した処方箋を同時にまとめて受け付けた場合、処方箋ごとに調剤
管理加算を算定可能か。
(答)算定不可。複数の保険医療機関が交付した同一患者の処方箋を同時にまとめて受け付けた場合、調剤管理加算は1回のみ算定できる。
問 19 「初めて処方箋を持参した場合」とは、薬剤服用歴に患者の記録が残っていない場合と考えてよいか。
(答)よい。ただし、薬剤服用歴等に患者の記録が残っている場合であっても、当該患者の処方箋を受け付けた日として記録されている直近の日から3年以上経過している場合には、「初めて処方箋を持参した場合」として取り扱って差し支えない。
問 20 「処方内容の変更により内服薬の種類が変更した場合」とは、処方されていた内服薬について、異なる薬効分類の有効成分を含む内服薬に変更された場合を指すのか。
(答)そのとおり。
問 21 調剤管理加算の施設基準における「過去一年間に服用薬剤調整支援料を1回以上算定した実績を有していること」について、「過去一年間」の範囲はどのように考えればよいか。
(答)服用薬剤調整支援料の直近の算定日の翌日から翌年の同月末日までの間は、「1回以上算定した実績」を有するものとしてよい。例えば、令和4年4月 20 日に服用薬剤調整支援料を算定した場合、その翌日の令和4年4月21 日から令和5年4月末日までの間、調剤管理加算の施設基準を満たすこととする。
出典:疑義解釈資料の送付について(その1) 厚生労働省 令和4年3月31日
保険調剤Q&A(令和6年度版より一部抜粋)
該当項目なし。
原文(2024年算定要件・留意事項)
区分10の2 調剤管理料
注4 別に厚生労働大臣が定める保険薬局(注3に規定する別に厚生労働大臣が定める保険薬局を除く。)において、複数の保険医療機関から6種類以上の内服薬(特に規定するものを除く。)が処方されている患者又はその家族等に対して、当該患者が服用中の薬剤について、服薬状況等の情報を一元的に把握し、必要な薬学的管理を行った場合は、調剤管理加算として、次に掲げる点数をそれぞれ所定点数に加算する。
イ 初めて処方箋を持参した場合 3点
ロ 2回目以降に処方箋を持参した場合であって処方内容の変更により薬剤の変更又は追加があった場合 3点
出典:診療報酬の算定方法の一部を改正する告示 厚生労働省告示第57号 別表第三調剤報酬点数表 厚生労働省 令和6年3月5日
区分10の2 調剤管理料
(10) 調剤管理加算
ア 調剤管理加算は、複数の保険医療機関から合計で6種類以上の内服薬(特に規定するものを除く。)が処方されている患者であって、初めて処方箋を持参した場合又は2回目以降に処方箋を持参した場合であって処方内容の変更により薬剤の変更又は追加があった場合に、患者又はその家族等に対して、当該患者が服用中の薬剤について、重複投薬、相互作用等の有無を確認した上で、手帳、オンライン資格確認等システムを活用した診療情報、薬剤情報等の情報、薬剤服用歴等、直接患者又はその家族等から収集した服薬状況等の情報等に基づき、服薬状況等の情報を一元的に把握し、必要な薬学的分析を行った場合に処方箋受付1回につき算定する。
イ 算定に当たっては、調剤後も患者の服用薬や服薬状況に関する情報等を把握し、必要に応じ処方医に情報提供すること。
ウ アにおいて確認した服薬状況等の情報及び薬学的分析の要点について薬剤服用歴等に記載する。
エ 調剤している内服薬の種類数に屯服薬は含めない。
オ 内服薬の種類数の計算に当たっては、錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤及び液剤については、1銘柄ごとに1種類として計算する。
カ 患者の服用する薬剤の副作用の可能性の検討等を行うに当たっては、「高齢者の医薬品適正使用の指針(総論編)」(厚生労働省)、「高齢者の医薬品適正使用の指針(各論編(療養環境別))」(厚生労働省)、「病院における高齢者のポリファーマシー対策の始め方と進め方」(厚生労働省)及び日本老年医学会の関連ガイドライン(高齢者の安全な薬物療法ガイドライン)等を参考にすること。
キ 「2回目以降に処方箋を持参した場合であって処方内容の変更により薬剤の変更又は追加があった場合」とは、薬剤服用歴等が保存されている患者において、当該保険薬局で調剤している内服薬について、処方内容の変更により内服薬の種類が変更した場合又は内服薬の種類数が1種類以上増加した場合をいう。なお、調剤している内服薬と同一薬効分類の有効成分を含む配合剤及び内服薬以外の薬剤への変更は、内服薬の種類が変更した場合に含めない。
出典:診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について 保医発0305第4号 別添3 調剤報酬点数表に関する事項 厚生労働省 令和6年3月5日
九の三 調剤管理料の注4に規定する厚生労働大臣が定める保険薬局
重複投薬等の解消に係る取組の実績を有している保険薬局であること。
出典:特掲診療料の施設基準等の一部を改正する件 厚生労働省告示第59号 厚生労働省 令和6年3月5日
第 97 の2 調剤管理加算
1 調剤管理加算に関する施設基準
(1) 「重複投薬等の解消に係る取組の実績を有している保険薬局」とは、過去一年間に服用薬剤調整支援料を1回以上算定した実績を有している保険薬局であること。
(2) 服用薬剤調剤支援料の直近の算定日の翌日から翌年の同月末日までの間は、「1回以上算定した実績」をもって重複投薬等の解消に係る取組の実績として適用する。
2 届出に関する事項
調剤管理加算に係る取扱いについては、当該基準を満たしていればよく、特に地方厚生(支)局長に対して、届出を行う必要はない。
出典:特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて 保医発0305第6号 厚生労働省 令和6年3月5日
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