施設連携加算の2024年算定要件をわかりやすく解説!

目次

早見表(2024年算定要件・薬歴・算定タイミング・レセプト摘要コメント)

施設連携加算

算定要件の概要(2024年度)

算定要件

施設連携加算 50点

介護保険法第8条第22項に規定する地域密着型介護老人福祉施設又は同条第27項に規定する介護老人福祉施設に入所中の患者を訪問し、注3に係る業務に加えて、当該施設職員と協働し当該患者が服薬中の薬剤を含めた服薬管理を支援した場合に、施設連携加算として月に1回に限り50点を所定点数に加算する。

つかさ

いわゆる特別養護老人ホーム(特養)等に入居している患者さんに対しての調剤報酬です。
外来服薬支援料2の加算であるため、外来服薬支援料2を算定していることが前提となります。

実施上の留意事項

(1) 施設連携加算は、保険薬剤師が患者の入所している地域密着型介護老人福祉施設又は介護老人福祉施設を訪問し、当該施設職員と協働して、日常の服薬管理が容易になるよう薬学的観点から支援や指導等を実施することを評価するものである。

(2) 当該患者又はその家族等の同意を得て、当該薬剤を処方した保険医にその必要性につき了解を得た上で実施すること。

(3) 当該患者の服薬状況等に基づき継続的に適切な服薬が行えるよう、特に重点的な服薬管理の支援を行うことが必要な以下のいずれかの場合に限り、外来服薬支援料2に加えて算定することとし、該当する理由について、調剤報酬明細書の摘要欄に記載すること。
 ア 地域密着型介護老人福祉施設又は介護老人福祉施設への入所時であって、服用している薬剤が多く、入所後の服薬管理について当該施設職員と協働した服薬支援が必要と保険薬剤師が認めた場合
 イ 新たな薬剤が処方された若しくは薬剤の用法又は用量が変更となった患者のうち、これまでの服薬管理とは異なる方法等での服薬支援が必要と保険薬剤師が認めた場合
 ウ 患者が服薬している薬剤に関する副作用等の状況、体調の変化等における当該施設職員からの相談に基づき保険薬剤師が当該患者の服薬状況等の確認を行った結果、これまでの服薬管理とは異なる方法等での服薬支援が必要と保険薬剤師が認めた場合

つかさ

ア~ウのいずれかに該当する必要があり、どれに該当するかをレセプト摘要欄に記載する必要があります。

(4) 日常の服薬管理が容易になるような支援については、当該保険薬局が調剤した薬剤以外に他の保険薬局で調剤された薬剤や保険医療機関で院内投薬された薬剤等の調剤済みの薬剤も含めて一包化等の調製を行うこと。

(5) (1)の当該施設職員との協働した服薬管理については、施設における患者の療養生活の状態を保険薬剤師自らが直接確認し、薬剤の保管状況、服薬状況、残薬の状況、投薬後の併用薬剤、投薬後の併診に関する情報、患者の服薬中の体調の変化(副作用が疑われる症状など)、重複服用、相互作用、実施する服薬支援措置、施設職員が服薬の支援・管理を行う上で留意すべき事項等に関する確認等を行った上で実施すること。
また、実施した内容の要点を薬剤服用歴等に記載すること。

つかさ

聞き取った情報だけでなく、自ら赴き直接確認をする必要があります。

(6) 単に当該施設の要望に基づき服用薬剤の一包化等の調製を行い、当該施設の職員に対して服薬の支援・管理に関する情報共有等を行ったのみの場合算定できない

つかさ

(5)で示されるような実地に基づいた確認を行った上で、薬学的観点から指導や支援を行う必要があるということですね。

補足

  • 特別養護老人ホーム(特養)に入居している患者が対象となる
  • 本調剤報酬により、服薬管理指導料3を算定している場合に外来服薬支援料2を算定することは、問題ないことが明言されたと考えられる(今までは地方厚生局ごとで判断に相違があった)
つかさ

特養での医薬品管理はいわゆる在宅医療に近い行為を行っているケースがほとんどでしたが、末期の悪性腫瘍でない限り在宅患者訪問薬剤管理指導料は算定できません。
そういった意味で、救済の意味も含む報酬であると言えるかと思います。

疑義解釈

なし。

保険調剤Q&A(令和6年度版より一部抜粋)

該当項目なし。

原文(2024年算定要件・留意事項)

区分14の2 外来服薬支援料
注4 介護保険法第8条第22項に規定する地域密着型介護老人福祉施設又は同条第27項に規定する介護老人福祉施設に入所中の患者を訪問し、注3に係る業務に加えて、当該施設職員と協働し当該患者が服薬中の薬剤を含めた服薬管理を支援した場合に、施設連携加算として月に1回に限り50点を所定点数に加算する。

出典:診療報酬の算定方法の一部を改正する告示 厚生労働省告示第57号 別表第三調剤報酬点数表 厚生労働省 令和6年3月5日

区分14の2 外来服薬支援料
3 施設連携加算
(1) 施設連携加算は、保険薬剤師が患者の入所している地域密着型介護老人福祉施設又は介護老人福祉施設を訪問し、当該施設職員と協働して、日常の服薬管理が容易になるよう薬学的観点から支援や指導等を実施することを評価するものである。
(2) 当該患者又はその家族等の同意を得て、当該薬剤を処方した保険医にその必要性につき了解を得た上で実施すること。
(3) 当該患者の服薬状況等に基づき継続的に適切な服薬が行えるよう、特に重点的な服薬管理の支援を行うことが必要な以下のいずれかの場合に限り、外来服薬支援料2に加えて算定することとし、該当する理由について、調剤報酬明細書の摘要欄に記載すること。
 ア 地域密着型介護老人福祉施設又は介護老人福祉施設への入所時であって、服用している薬剤が多く、入所後の服薬管理について当該施設職員と協働した服薬支援が必要と保険薬剤師が認めた場合
 イ 新たな薬剤が処方された若しくは薬剤の用法又は用量が変更となった患者のうち、これまでの服薬管理とは異なる方法等での服薬支援が必要と保険薬剤師が認めた場合
 ウ 患者が服薬している薬剤に関する副作用等の状況、体調の変化等における当該施設職員からの相談に基づき保険薬剤師が当該患者の服薬状況等の確認を行った結果、これまでの服薬管理とは異なる方法等での服薬支援が必要と保険薬剤師が認めた場合
(4) 日常の服薬管理が容易になるような支援については、当該保険薬局が調剤した薬剤以外に他の保険薬局で調剤された薬剤や保険医療機関で院内投薬された薬剤等の調剤済みの薬剤も含めて一包化等の調製を行うこと。
(5) (1)の当該施設職員との協働した服薬管理については、施設における患者の療養生活の状態を保険薬剤師自らが直接確認し、薬剤の保管状況、服薬状況、残薬の状況、投薬後の併用薬剤、投薬後の併診に関する情報、患者の服薬中の体調の変化(副作用が疑われる症状など)、重複服用、相互作用、実施する服薬支援措置、施設職員が服薬の支援・管理を行う上で留意すべき事項等に関する確認等を行った上で実施すること。また、実施した内容の要点を薬剤服用歴等に記載すること。
(6) 単に当該施設の要望に基づき服用薬剤の一包化等の調製を行い、当該施設の職員に対して服薬の支援・管理に関する情報共有等を行ったのみの場合は算定できない。

出典:診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について 保医発0305第4号 別添3 調剤報酬点数表に関する事項 厚生労働省 令和6年3月5日

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