早見表(2024年算定要件・薬歴・算定タイミング・レセプト、施設基準)
算定要件の概要(2024年度 特定薬剤管理指導料3 イ・ロ)
算定要件
在宅中心静脈栄養法加算 150点
別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険薬局において、在宅中心静脈栄養法を行っている患者に対して、その投与及び保管の状況、配合変化の有無について確認し、必要な薬学的管理及び指導を行った場合(注2に規定する場合を除く。)は、在宅中心静脈栄養法加算として、1回につき150点を所定点数に加算する。
輸液製剤の投与を受けている患者さんが対象です。
在宅中心静脈栄養法(HPN:Home Parenteral Nutrition)とは、消化管を経由せずに必要な栄養を補給する方法で、栄養摂取が不十分もしくは不可能な場合に適応されます。
今までは介護保険の対象外であまり算定機会はありませんでしたが、2024年度介護報酬改定により、介護報酬としても在宅中心静脈栄養法加算が新設され、介護適応に拡大されました。
これにより算定機会はグッと増えたのではないかと思います。
実施上の留意事項
(1) 在宅中心静脈栄養法加算は、在宅中心静脈栄養法を行っている患者に係る薬学的管理指導の際に、患家を訪問し、患者の状態、投与環境その他必要な事項等の確認を行った上で、患者又はその家族等に対して保管方法、配合変化防止に係る対応方法等の必要な薬学的管理指導を行い、処方医に対して必要な情報提供を行った場合に算定する。
患家に直接訪問し、患者の状態、投与環境等の確認が必要となります。
そして、その場での薬学的管理指導、医師への情報提供までがセットです。
(2) 当該患者に対し2種以上の注射薬が同時に投与される場合には、中心静脈栄養法に使用する薬剤の配合変化を回避するために、必要に応じて、処方医以外の医療関係職種に対しても、当該患者が使用する注射剤に係る配合変化に関する留意点、輸液バッグの遮光の必要性等について情報提供する。
医療関係職種という言葉の定義が見つからないので、どこまでが範囲であるかは曖昧です。医療従事者である訪問看護師は確実ですが、介護員であるケアマネージャー、ヘルパー等が該当するかはわかりません。
ただ、必須要件ではないので必要と感じた範囲で情報提供を行えばよいかと思います。
(3) 在宅中心静脈栄養法加算は、在宅患者訪問薬剤管理指導料もしくは在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料、もしくは在宅患者緊急時等共同指導料が算定されていない場合は算定できない。
これらに加え、2024年度介護報酬改定により居宅療養管理指導費が算定されている場合も算定可能となっております。
(4) 在宅中心静脈栄養法加算を算定するためには、薬剤服用歴等に薬学管理料の通則(4)及び「15」在宅患者訪問薬剤管理指導料の1の(10)の記載事項に加えて、少なくとも次の事項について記載されていなければならない。
ア 訪問に際して実施した在宅患者中心静脈栄養法に係る薬学的管理指導の内容(輸液製剤の投与状況、保管管理状況、残薬の状況、栄養状態等の状況、輸液製剤による患者の体調の変化(副作用が疑われる症状など)の有無、薬剤の配合変化の有無などの確認等)
イ 訪問に際して行った患者・家族への指導の要点(輸液製剤に係る服薬指導、適切な保管方法の指導等)
ウ 処方医及び関係する医療関係職種に対して提供した訪問結果、輸液製剤の保管管理に関する情報(輸液製剤の投与状況、栄養状態及び患者の服薬中の体調の変化(副作用が疑われる症状など)等の状況、服薬指導の要点等に関する事項を含む。)の要点
薬歴の記載事項の詳細です。
通常の記載事項に加え、輸液製剤の薬学的管理、指導内容、情報提供内容が必要となります。
施設基準
特掲診療料の施設基準
在宅患者訪問薬剤管理指導料の注7、在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料の注6及び在宅患者緊急時等共同指導料の注6に規定する在宅中心静脈栄養法加算の施設基準
医薬品医療機器等法第三十九条第一項の規定による高度管理医療機器の販売業の許可を受けている又は同法第三十九条の三第一項の規定による管理医療機器の販売業の届出を行っていること。
高度管理医療機器の販売許可、もしくは高度医療機器の販売の届出が前提となります。
特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて
1 在宅中心静脈栄養法加算に関する施設基準
(1) 医薬品医療機器等法第 39 条第1項の規定による高度管理医療機器の販売業の許可を受けている又は同法第 39 条の3第1項の規定による管理医療機器の販売業の届出を行っていること。
2 届出に関する事項
在宅中心静脈栄養法加算の施設基準に係る届出は、別添2の様式 89 を用いること。
算定にあたり、届け出が必要な報酬となります。
うっかりしていた方も多いのではないでしょうか?
届出の際の詳細は、所属地域の地方厚生局の案内をご確認ください。
補足
- 在宅患者医療用麻薬持続注射療法加算とともに、介護保険への適応が拡大された調剤報酬
- 処方箋受付がない場合であっても、在宅患者訪問薬剤管理指導料と同様に算定可能(訪問の度に算定可能)
- 在宅患者医療用麻薬持続注射療法加算、薬剤調製料の無菌製剤処理加算と併算定可
同時算定(併算定)、算定回数(算定タイミング)について
参照:診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について 保医発0305第4号 別添3 調剤報酬点数表に関する事項 厚生労働省 令和6年3月5日
疑義解釈
疑義解釈(令和4年3月31日)
問 40 在宅患者医療用麻薬持続注射療法加算について、在宅患者訪問薬剤管
理指導料と同様に、処方箋受付がない場合であっても算定可能か。
(答)算定可。在宅患者中心静脈栄養法加算についても同様である。
問 41 在宅中心静脈栄養法加算について、薬剤調製料の無菌製剤処理加算(中心静脈栄養法用輸液)との併算定は可能か。また、在宅患者医療用麻薬持続注射療法加算との併算定は可能か。
(答)いずれも併算定可。
出典:疑義解釈資料の送付について(その1)厚生労働省 令和4年3月31日
保険調剤Q&A(令和6年度版より一部抜粋)
該当項目なし。
原文(2024年算定要件・留意事項)
区分15 在宅患者訪問薬剤管理指導料
注7 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険薬局において、在宅中心静脈栄養法を行っている患者に対して、その投与及び保管の状況、配合変化の有無について確認し、必要な薬学的管理及び指導を行った場合(注2に規定する場合を除く。)は、在宅中心静脈栄養法加算として、1回につき150点を所定点数に加算する。ー
区分15の2 在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料
6 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険薬局において、在宅中心静脈栄養法を行っている患者に対して、その投与及び保管の状況、配合変化の有無について確認し、必要な薬学的管理及び指導を行った場合(注1のただし書に規定する場合を除く。)は、在宅中心静脈栄養法加算として、1回につき150点を所定点数に加算する。ー
区分15の3 在宅患者緊急時等共同指導料
6 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険薬局において、在宅中心静脈栄養法を行っている患者に対して、その投与及び保管の状況、配合変化の有無について確認し、必要な薬学的管理及び指導を行った場合は、在宅中心静脈栄養法加算として、1回につき150点を所定点数に加算する。
出典:診療報酬の算定方法の一部を改正する告示 厚生労働省告示第57号 別表第三調剤報酬点数表 厚生労働省 令和6年3月5日
区分15 在宅患者訪問薬剤管理指導料
7 在宅中心静脈栄養法加算
(1) 在宅中心静脈栄養法加算は、在宅中心静脈栄養法を行っている患者に係る薬学的管理指導の際に、患家を訪問し、患者の状態、投与環境その他必要な事項等の確認を行った上で、患者又はその家族等に対して保管方法、配合変化防止に係る対応方法等の必要な薬学的管理指導を行い、処方医に対して必要な情報提供を行った場合に算定する。
(2) 当該患者に対し2種以上の注射薬が同時に投与される場合には、中心静脈栄養法に使用する薬剤の配合変化を回避するために、必要に応じて、処方医以外の医療関係職種に対しても、当該患者が使用する注射剤に係る配合変化に関する留意点、輸液バッグの遮光の必要性等について情報提供する。
(3) 在宅中心静脈栄養法加算は、在宅患者訪問薬剤管理指導料が算定されていない場合は算定できない。
(4) 在宅中心静脈栄養法加算を算定するためには、薬剤服用歴等に薬学管理料の通則(4)及び「15」在宅患者訪問薬剤管理指導料の1の(10)の記載事項に加えて、少なくとも次の事項について記載されていなければならない。
ア 訪問に際して実施した在宅患者中心静脈栄養法に係る薬学的管理指導の内容(輸液製剤の投与状況、保管管理状況、残薬の状況、栄養状態等の状況、輸液製剤による患者の体調の変化(副作用が疑われる症状など)の有無、薬剤の配合変化の有無などの確認等)
イ 訪問に際して行った患者・家族への指導の要点(輸液製剤に係る服薬指導、適切な保管方法の指導等)
ウ 処方医及び関係する医療関係職種に対して提供した訪問結果、輸液製剤の保管管理に関する情報(輸液製剤の投与状況、栄養状態及び患者の服薬中の体調の変化(副作用が疑われる症状など)等の状況、服薬指導の要点等に関する事項を含む。)の要点ー
区分15の2 在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料
(13) 在宅中心静脈栄養法加算
ア 在宅中心静脈栄養法加算は、在宅中心静脈栄養法を行っている患者に係る薬学的管理指導の際に、患者の状態、投与環境その他必要な事項等の確認を行った上で、患家を訪問し、患者又はその家族等に対して保管方法、配合変化防止に係る対応方法等の必要な薬学的管理指導を行い、処方医に対して必要な情報提供を行った場合に算定する。
イ 当該患者に対し2種以上の注射薬が同時に投与される場合には、中心静脈栄養法に使用する薬剤の配合変化を回避するために、必要に応じて、処方医以外の医療関係職種に対しても、当該患者が使用する注射剤に係る配合変化に関する留意点、輸液バッグの遮光の必要性等について情報提供する。
ウ 在宅中心静脈栄養法加算は、在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料が算定されていない場合は算定できない。
エ 在宅中心静脈栄養法加算を算定するためには、薬剤服用歴等に薬学管理料の通則(4)及び「15の2」在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料の(8)の記載事項に加えて、少なくとも次の事項について記載されていなければならない。
(イ) 訪問に際して実施した在宅患者中心静脈栄養法に係る薬学的管理指導の内容(輸液製剤の投与状況、保管管理状況、残薬の状況、栄養状態等の状況、輸液製剤による患者の服薬中の体調の変化(副作用が疑われる症状など)の有無、薬剤の配合変化の有無などの確認等)
(ロ) 訪問に際して行った患者・家族への指導の要点(輸液製剤に係る服薬指導、適切な保管方法の指導等)
(ハ) 処方医及び関係する医療関係職種に対して提供した訪問結果、輸液製剤の保管管理に関する情報(輸液製剤の投与状況、栄養状態及び患者の服薬中の体調の変化(副作用が疑われる症状など)等の状況、服薬指導の要点等に関する事項を含む。)の要点ー
区分15の3 在宅患者緊急時等共同指導料
(13) 在宅中心静脈栄養法加算
ア 在宅中心静脈栄養法加算は、在宅中心静脈栄養法を行っている患者に係る薬学的管理指
導の際に、患者の状態、投与環境その他必要な事項等の確認を行った上で、患家を訪問
し、患者又はその家族等に対して保管方法、配合変化防止に係る対応方法等の必要な薬
学的管理指導を行い、処方医に対して必要な情報提供を行った場合に算定する。
イ 当該患者に対し2種以上の注射薬が同時に投与される場合には、中心静脈栄養法に使用
する薬剤の配合変化を回避するために、必要に応じて、処方医以外の医療関係職種に対
しても、当該患者が使用する注射剤に係る配合変化に関する留意点、輸液バッグの遮光
の必要性等について情報提供する。
ウ 在宅中心静脈栄養法加算は、在宅患者緊急時等共同指導料が算定されていない場合は算
定できない。
エ 在宅中心静脈栄養法加算を算定するためには、薬剤服用歴等に薬学管理料の通則(4)
及び「15の3」在宅患者緊急時等共同指導料の(6)の記載事項に加えて、少なくとも
次の事項について記載されていなければならない。
(イ) 訪問に際して実施した在宅患者中心静脈栄養法に係る薬学的管理指導の内容(輸液製剤の投与状況、保管管理状況、残薬の状況、栄養状態等の状況、輸液製剤による患者の服薬中の体調の変化(副作用が疑われる症状など)の有無、薬剤の配合変化の有無などの確認等)
(ロ) 訪問に際して行った患者・家族への指導の要点(輸液製剤に係る服薬指導、適切な保管方法の指導等)
(ハ) 処方医及び関係する医療関係職種に対して提供した訪問結果、輸液製剤の保管管理に関する情報(輸液製剤の投与状況、栄養状態及び患者の服薬中の体調の変化(副作用が疑われる症状など)等の状況、服薬指導の要点等に関する事項を含む。)の要点
出典:診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について 保医発0305第4号 別添3 調剤報酬点数表に関する事項 厚生労働省 令和6年3月5日
十一の五 在宅患者訪問薬剤管理指導料の注7、在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料の注6及び在宅患者緊急時等共同指導料の注6に規定する在宅中心静脈栄養法加算の施設基準
医薬品医療機器等法第三十九条第一項の規定による高度管理医療機器の販売業の許可を受けている又は同法第三十九条の三第一項の規定による管理医療機器の販売業の届出を行っていること。
出典:特掲診療料の施設基準等の一部を改正する件 厚生労働省告示第59号 厚生労働省 令和6年3月5日
第 103 在宅中心静脈栄養法加算
1 在宅中心静脈栄養法加算に関する施設基準
(1) 医薬品医療機器等法第 39 条第1項の規定による高度管理医療機器の販売業の許可を受けている又は同法第 39 条の3第1項の規定による管理医療機器の販売業の届出を行っていること。
2 届出に関する事項
在宅中心静脈栄養法加算の施設基準に係る届出は、別添2の様式 89 を用いること。
出典:特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて 保医発0305第6号 厚生労働省 令和6年3月5日
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